[井上あずみさん]脳出血で本番直前に倒れる ろれつ回らず頭痛も…発症から1年あまり 11月に歌披露へ
半年間、リハビリ入院
――左半身まひの状態で、リハビリの病院に転院し、そこで半年間入院してリハビリを続けたわけですね。 先生には、記憶とか集中力は3歳児並みと言われました。それに初めのころ、左目が見えないんですよ。お食事のおかずがあるのに、「ご飯がないな」と思うんですが、左側にあって、脳が認識しないんですね。メールが来ても、内容がちゃんと頭に入らなくて返せない状態が続きました。 ――入院中の6か月、リハビリの効果はいかがでしたか。 少しずつは慣れてきましたが、体がままならないんですよ。一人で立ってトイレに行けない。右手しか使えないので、シャワーを浴びる、顔を洗う、鼻をかむことでさえ工夫して慣れないとできません。こういう体になって、歩いたり、立ったり、当たり前のことができるって幸せなことなんだなぁと思いました。幸せの価値観が変わりました。
夫がつきっきりで介護とリハビリ
――それから自宅に戻ってもリハビリの日々を送っているそうですが、現在はどのような状態ですか。 自分でベッドから下りて、伝い歩きをすることはできます。でも、左半身のまひがあるので、自宅でも一人ではトイレにも行けない状態で、パパに手をつないで支えられて歩いています。つきっきりです。右手は使えるので食事はできますが、入浴もパパですね。「大きいラブラドールをお風呂に入れてるつもり」なんて言われています。私はイヌか? イヌだと思えば、私に文句を言われても腹が立たないって(笑)。 ――以前より少しおやせになったようですが、こうしてお話をうかがっていると、言葉も声もはっきりしているし、表情もほぼ病気をする前と変わらず元気そうで、よく笑いますね。 うちに戻ってきたころは、左側の表情が全然動かなかったから、笑顔は難しかったんです。でも、パパや娘は「左側は美人だ」なんて笑っていました。発声もリハビリやボイストレーニングをしていると、少しずつ良くなってきました。6月には、金沢で子供のころ歌の指導を受けていた先生の発表会、7月には長崎のホールで開かれた幼稚園関係のイベントで「となりのトトロ」の主題歌を歌ったんですよ。