誰でも文章がスラスラ書けるようになる「話すように書く」文章術(滝川徹 時短コンサルタント)
■文章はゼロから書くより編集する方が早い
音声入力を活用する一番のメリット。それはラクということです。同じ3000字を書くにしても、タイピングで書くのと比べて音声入力で書く方が圧倒的に楽です。これはやってみてくださいとしか言えません。 キーボードをタイプしなくていいのはとても楽です。肩もこりません。しかも一般的にはしゃべる速度のほうがタイピングの速度より早いでしょう。そうすると音声の方が早く書けることにもなります。 一方で、音声入力で文章を書いてもどうせ加筆・編集しなければいけない。それならゼロから自分でタイピングしたほうが早い。そう感じる人もいると思います。その気持ちはものすごくよくわかります。何を隠そう、昔の私もそう感じていた一人だったからです。 この考え・思いこみをぶち壊してくれたのが、私が執筆指導を受けている中嶋よしふみさんの「ゼロから書くより編集する方が早い」の一言でした。中嶋さんはウェブメディアの編集長。今まで数多くの文章を編集して記事を作ってこられた方です。 そんな方が、ゼロから自分で文章を作るより編集したほうが早い。そう言われたのを聞き「音声入力も全く同じだ!」と閃きました。たしかに音声入力で出力した文章は不完全です。でも、それを編集したほうがゼロから自分で文章を書くよりも早い。このことに気がついたというわけです。 この気づきと「話すように書く」をかけ合わせることで、私は驚くほど早く文章を書けるようになりました。とにかくまず、思いついたことをどんどんしゃべって録音していきます。それを文字起こしでテキスト化し、素材を作り、編集する。こうした書き方をするようになり、私は「書きたいけど書けない」悩みがゼロになりました。どんどん文章を書けるようになったのです。 ちなみに今の私は音声「録音」をしていますが、いわゆる音声入力でもほぼ同じことはできます。少し前は私もGoogleドキュメントを使って同じことをやっていました。iPhoneのGoogleドキュメントのアプリに向かってしゃべると、かなり高い精度で文字・テキストになります。そうして素材を作り、編集すれば同じことができるのです。 私が「CLOVA Note」を使って音声録音をしているのは、そのほうがほんのわずかではありますが、文字・テキストになる時の精度がGoogleドキュメントより高いと感じるからです。ただし、Googleドキュメントの精度も今では相当なものです。音声入力をするか音声録音をするかは、厳密には好み次第といえるかもしれません。 ここで書いた話は次の本にしようと思ってるくらい、私には革命的なことでした。この手法は慣れると本当に驚くくらい執筆が楽になり、スピードが上がります。騙されたと思ってぜひ試してみてください。