「不倫続けようと…」妻と1歳の娘を殺害した元看護師の男に“無期懲役”を求刑 遺族も衝撃…逮捕後にも続いていた不倫関係「貴方に一生の誓いを…」
殺意高まったのは殺人事件の3日前
殺害時以前の事件での殺意を否認した弁護側。 具体的な殺意を抱いたのは2021年10月以降に悔しい出来事が続き、不満や怒りを募らせたからだと主張した。 弁護側: 2021年10月4日に渡辺被告が交通事故を起こした際、「自分が死んだらどうする?」と春香さんに質問して「保険金が出るなら自宅を売って実家に帰る」と回答されたことがショックだった。その後も同様の質問で確認するも回答が変わらなかったことから妻への不満や怒りを募らせ「もし、自分が自殺した後に保険金が妻に下りなければいいのに」という意地悪な気持ちで「自殺保険金」などと検索してしまっていた 10月30日にロープを購入したものの「殺害を考えてはいたが、その時点では具体的な殺害まで考えていなかった。具体的に殺意を高めたのは11月4日だった」と説明した。
「今後一生しょく罪の気持ちを持ち続ける」弁護側は有期刑を求める
最終弁論の最後、弁護側は量刑について情状酌量を訴えた。 弁護側: 確かに渡辺被告は、春香さん、純ちゃんというかけがえのない2人の命を奪い、結果が重大であることは言うまでもない。その責任を取らなければならないことも言うまでもない。しかし、例えば保険金目的での殺害でもなく、利欲目的での殺人とは異なる。純ちゃんに対する殺害も、経緯・動機に同情すべき点はないが、ただ、一方的な不満や怒りを増大させていたということとは異なり、その場でとっさに恐怖を感じて殺害に及んだものだった また、春香さんの殺害後に、春香さんの携帯電話から渡辺被告へと自殺をうかがわせるようなメッセージを送ったことは自分勝手だったとした上で「渡辺被告が春香さんにしてほしかったこと、言ってほしかったことをつづったもので純粋な思いだった」と説明した。 そして、前科がないことや更正可能性、遺族への謝罪感情が変化していることについても触れた。 弁護側: 事件から3年経った。渡辺被告はこの法廷で「当時は十分に向き合うことができなかった、真正面から受け止めることができなかった、現在は妻と娘に手を合わせながら生活している。時間が経てば経つほど、娘が生きていれば何歳になったとか、娘の成長を見ていたかったと思っている。2人に対しては苦しかったよね、本当にごめんなさい、いい夫でなく、いい父親でなくてごめんなさい」と述べるに至っている。確かに、今の段階となっても渡辺被告の反省は不十分に映るかもしれないが、逮捕当時に比べれば、少しずつかもしれないが反省を深めていっているということも、渡辺被告のこの法廷での発言をみれば見て取れると思う」 そして、「妻子というかけがえなのない2人の命を奪ってしまった。これから長い時間をかけて反省をさらに深め、今後一生しょく罪の気持ちを持ち続けることが必要。それが亡くなってしまった妻と娘への償いにつながる。また、被告に更生の可能性がないとは言えない」として有期刑での判決を求めた。