「不倫続けようと…」妻と1歳の娘を殺害した元看護師の男に“無期懲役”を求刑 遺族も衝撃…逮捕後にも続いていた不倫関係「貴方に一生の誓いを…」
「被告人に反省を求めることは不可能」遺族側は死刑を求める
検察側の論告求刑が終わると、被害者参加制度を使って、遺族側からの意見が弁護士を通じて訴えられた。 被害者参加制度による遺族の訴え: 渡辺被告は逮捕後も罪と向き合わず、裁判では逮捕後の供述などと違う発言を繰り返していた。少しでも罪を軽くしようとしていた。仮に反省や後悔があったなら、春香や純にもう少し感情を寄せていたはず。3年間、罪を真摯に振り返っていないし、法廷内でも「申し訳ない」と言っていたが、うわべだけの謝罪と涙だった。事件をきっかけに遺族の生活は変わった上に、心の傷は一生癒えない。遺族としては、もともと反省をしてくれさえいればと思っていたが、今では渡辺被告に死をもって償うことを望んでいる。それは逮捕後に渡辺被告が不倫相手と文通を知っているのを知ったからで、その内容を知って激しい怒りを持った。発生した結果も極めて重大で、被告人に反省を求めることはもはや不可能なため、死刑が妥当だと考える
弁護側「塩化カリウムはお守りだった」
続いて、最終弁論のため証言台に立った渡辺被告の弁護人は「渡辺被告は春香さんが事故を起こす前に自宅でふらついていたり、ろれつが回らないなどの様子は見ていない。睡眠薬入りの飲料を片付けなかったのは、すでに春香さんの口座から無断出金していたことがバレて、どうでもいいと思っていたから気にしていなかったため」だと主張。 その上で、殺人未遂事件とされている事故は程度も小さく、殺人と同等に考えるのは現実的でないと指摘した。 弁護側: 事故の結果を見れば、春香さんも純ちゃんもケガをしていないほか、車のエアバッグも出ていない。確かに全く危険性がないとは言えず、常識的に考えれば運転を止めたほうがよかったが、殺人に該当するような行為ではなく、殺人と同等に考えるのは現実的でない また、殺意についても… 弁護側: 自宅のマンションを出る時点で、春香さんに睡眠薬の効果が出ているとは感じられず、家を出た後に睡眠薬の影響が生じて死亡事故を起こすというイメージは一般的にできない。なので、春香さんに睡眠薬の効果が生じているのを認識しながら、あえて車の運転を止めなかったということではないので、殺意があったとは言えず殺人未遂罪は適用されない そして、塩化カリウムを盗んだ事件についても殺意はなかったと主張した。 弁護側: そもそも自宅にある医療器具では静脈注射ができないし、看護師だからその知識はある。また、看護師として日常業務を行っていたことから、静脈注射をすれば注射痕が残ることは分かっていたが「当時知っていたこと・分かっていたこと」と「当時塩化カリウムを実際に使ったら発覚してしまうリスクとして具体的に考えていたこと」とをうまく区別して整理できていなかった。持ち出した目的は、あくまで春香さんとの生活における精神的安定を図るためで「お守り」のようなものだったと考えられる。もし、渡辺被告が実際に使うつもりであれば、静脈注射ができるように入手が簡単なシリンジを準備したはず