井波彫刻に新商品を デザイナー考案、若手制作 南砺市、補正予算で支援
南砺市は、デザイナーが考案した商品を、井波彫刻の若手作家が製品化する新事業を支援する。井波地区の空き家を宿泊体験併設型のショールームに改修する。井波彫刻を発信する新たなビジネスモデルを構築することが狙いで、市側は井波で新たな問屋制度が構築され、彫刻の仕事が増えると想定。28日開会の市議会8月会議に提出した補正予算案に補助金2500万円を計上した。 ●空き家を改修ショールームに 計画では、埼玉県の「Oji Design(オオジ・デザイン)」がデザインした規格品や注文を受けた商品を、井波彫刻の若手作家が製品化する。ショールームに作品を飾り、訪れた人が手に取り、質感を体験できるようにする。 職人に弟子入りする体験も用意し、滞在型の旅行商品をつくる。補助金のうち1666万円は国交付金を充当する。 ●災害対策事業に1億9153万円 一般会計の補正予算案総額は3億8188万円で、能登半島地震などの災害対策事業費として1億9153万円を計上した。地震で大規模土砂崩れが発生した砂子谷の農地の復旧に向け、測量設計費3539万円を盛り込んだ。国の災害復旧対象外の比較的規模が小さい農業被害に対応するため、市独自で助成する費用として1170万円を見込んだ。 ●「完治され助言を」 氷見市長辞意田中市長が敬意 南砺市の田中幹夫市長は28日、市役所で開いた定例記者会見で、林正之氷見市長が治療に専念するため、2期目の任期途中で辞職する意向を明らかにしたことに関し「必ず完治され、氷見や呉西についていろいろとアドバイスをいただきたい」と述べた。 林市長の辞職表明について、呉西の市長の1人として見解を求める質問に答えた。田中市長は「大変な決断をされた。あらためて敬意を表したい」と語った。 ●南砺から万博盛り上げ 9月22日にトークショー 田中市長は記者会見で、来年の大阪・関西万博に向けて、9月22日に市内で「機運醸成トークショー」を開催するとした。南砺市は小松市と連携し井波彫刻と九谷焼の共同作品を万博で展示する計画を進めており、田中市長は「南砺から万博を盛り上げていきたい」と意気込んだ。 トークショーは井波総合文化センターを会場とし、万博テーマ事業プロデューサーの中島さち子さんや、元環境省事務次官の中井徳太郎さんらを招く。 南砺平高が来年度始める生徒の全国募集について、田中市長は県外生徒6人を受け入れる宿泊先3軒を確保したと説明した。8月補正案に「地域みらい留学推進費」150万円を計上しており、「受け入れ先の世帯に負担がないよう部屋の準備を支援する」と述べた。 ●8月会議に25件上程 南砺市議会8月会議は28日開会し、一般会計補正予算や市税条例一部改正などの議案と報告、認定計25件が上程された。市道山の神線復旧工事請負契約の変更議案は同日可決した。審議は9月17日までの21日間。