美味い個室レストランがあるけど行く? 店の名前は「ルームサービス」!?
人気放送作家にして戦略的PRコンサルタントでもある野呂エイシロウさんが、長い業界生活の中で見聞きし、あるいは遭遇した、恋するオヤジさんたちの愛すべき艶話をこっそり披露する連載です。今回のテーマは……。 野呂エイシロウの「それはまた誰かのハナシ」
■ 最強のレストランの名は「ルームサービス」
その昔、ホイチョイ・プロダクションズが手がけたバイブル『東京いい店やれる店』があった。僕は何度も読んで飲食店に通い詰めたのを覚えている。発売から30年も経ち、店も変わった。そんななか、素敵な女性とデートばかりしている外資系ITで働く男がいる。「最近の口説ける店はどこ?」と聞いてみた。すると、場所は都内に数百件とあるが、ここは最強のレストランだと豪語された。 カレーライスやパスタも美味しいという。無名のワインでも口説けるという。しかも個室。「え? そんな洋食屋さんあります?」と僕が質問すると、「ハハハ、ルームサービスだよ」と答えられた。ルームサービスは、なぜかジャンキーなものが食べたくなる。カレーライスやハンバーガー、ハーフボトルのシャンパンが非日常を感じる。予約困難店よりも安いとアドバイス。 「とはいえ、その“個室”に行くことが大変じゃないですか」と質問すると、「それはまた別の話」とはぐらかされた。とはいえ、「美味い個室レストランがあるけど行く? 店の名前はルームサービス。よかったら水着も持っておいでよ」と言えば、多くのレディは察するという。僕がそんなことを口にしたら失笑されるだけだ。
● 野呂エイシロウ
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。気さくな人柄と豊富な知識、そして巧みな話術にファンも多い。現在は戦略的PRコンサルタント業務など、多忙を極める。 2024年9月号より
文/野呂エイシロウ イラスト/早乙女道春