松本市がEVシェアを来年度実施へ 平日は市役所業務、休日は市民・観光客が利用
長野県松本市は、会員間で車を共同使用するカーシェアリングを行う民間事業者と組み、電気自動車(EV)を市職員や市民、観光客が利用する試みを来年度に始める。市役所敷地の一角にEV2台と充電器を置いたステーションを設け、開庁時は市が公用車として借り、閉庁時は市民や観光客が利用する。環境負荷の少ないEVの普及を後押しし、脱炭素化を進める狙いだ。 市によると、現時点で県内自治体の実践例や、市内にある民間のカーシェア・ステーションへのEV配備はないとみられる。市は本年度、プロポーザル方式で民間事業者を選定し、来年度から5年間、EVシェアを実施してもらう方針だ。市議会6月定例会に提出する本年度一般会計補正予算案に、東庁舎北側駐車場の一角を拠点にするための工事費130万円を計上した。 カーシェアの利用に対面手続きはない。会員登録した上で、交通系のICカードやスマートフォンで車のドアを開錠し、電子決済で利用する。平日の日中は市がユーザーとして業務に使う一方、閉庁している平日夜間や休日は、市民や観光客が利用できるようにする。 EVへのシフトは世界的に進みつつあるが、国内ではガソリン車に比べて価格が高く車種も少ないため普及率は低い。市は2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」として、EVやカーシェアの普及促進を脱炭素施策の一環に位置付けている。 環境・地域エネルギー課は「EVの使い勝手を体験してもらうきっかけにしたい。市も事業者と協力して積極的にサービスの周知啓発をしていく」としている。
市民タイムス