おとぎ話のような結末にはならなかった……リカルド、F1シンガポールGP後のRBシート喪失を示唆「キャリアを誇りに思う」
F1シンガポールGPを最後にRBのF1シートを降ろされると噂されるダニエル・リカルドは、決勝レースを18位で終えて「おとぎ話のような結末にはならなかった」と吐露。次戦アメリカGPでリザーブドライバーのリアム・ローソンにシートを奪われる可能性を示唆した。 【動画】シンガポールGP決勝後、インタビューで感極まるリカルド 2022年末にマクラーレンのシートを失ったリカルドは、2023年シーズン途中にアルファタウリ(現RB)からF1復帰を果たしたが、チームメイトの角田裕毅を相手にスピードや安定感で後れを取り続けていた。 現在35歳という年齢からもリカルドはF1キャリア終了が近づいているとされており、今回のシンガポールGPを最後にF1マシンを降り、残る6戦はローソンが後任を務める可能性が高いと言われている。 将来に関する噂が飛び交うシンガポールGPの週末、リカルドは自身の今後について口を閉ざしたままだった。ただ、決勝レースでは完走したドライバーの中で最下位となり、意気消沈しているのは明らか。リカルドはレース終盤に2度目のピットストップを実施してファステストラップを記録した他、F1のドライバー・オブ・ザ・デイにも選ばれたことが慰めとなったかもしれない。 決勝レースをフィニッシュした後、Sky Sports F1のインタビューに応じたリカルドは、13年というF1キャリアを「誇りに思う」と振り返った。 「マクラーレンでのスティントを終えて(レッドブルファミリーに)戻ってきた理由を認めなければいけない。僕は常々、ただグリッドに戻るということはしたくはないと言っていた」 リカルドはそう語る。 「僕は上位で戦って、レッドブル(レーシング)に戻りたかった。もちろん、それは実現しなかったから『他に何を達成できるのか?』『他に何を目指すべきか?』と内省する必要がある」 「僕はベストを尽くした。おとぎ話のような結末は実現しなかったかもしれないけど、13年あまりを振り返って、誇りに思うこともある」 「通常、ドライバー・オブ・ザ・デイというのは、僕らドライバーにとってあまり重要なモノではないかもしれない。でも今日は感謝している。これはちょっとした意味があるんだ」 リカルドはフィニッシュ直後、パルクフェルメに停めたマシンのコクピットに、しばらくの間座ったままだった。その様子は、名残惜しんでいるようにも見えた。それについてF1 TVのインタビューで尋ねられたリカルドは、噛み締めるように言葉を紡いだ。 「多くの感情が渦巻いていた。レース後の疲労もあると思う」 「多くの感情や気持ちが押し寄せてきたし、疲れていた。コックピットは長年慣れ親しんできた場所だし、その瞬間を満喫したかったんだ」 一方でリカルドはレースについて語り、予選Q1落ちを喫したため、RBが戦略で違いを出そうとソフトタイヤスタートを選んだと説明。ただ、序盤に大きく順位を上げることはできなかった。 前述の通り、レース終盤にリカルドはファステストラップを記録し、レースを制したマクラーレンのランド・ノリスからファステストラップの1ポイントを奪う格好になった。ノリスとタイトルを争うレッドブルのマックス・フェルスタッペンを援護した形だ。 「昨日の予選でポジションが下だったから、僕らは何かを試してみる必要があった。絶好のタイミングでセーフティカーが出動していたかもしれない」とリカルドは言う。 「僕の理解では、オーバーテイクするのが難しいレースだった。マシンの間をすり抜けていくことができたドライバーはあまりいなかった。序盤はソフトでアグレッシブに攻めて、どこかで幸運を掴めるかもしれないと思ったけど、そうはならなかった」 「もしマックスが1ポイント差で(タイトル争いに)勝てば、僕への素敵なクリスマスプレゼントが確約されたようなモノだね!」
Jake Boxall-Legge