[MOM5013]前橋育英MF竹ノ谷優駕(2年)_1年間のリハビリ支えた父の言葉、双子の弟の活躍「あとは全部出し切るだけ」
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ Sponsored by アディダス ジャパン] [1.4 選手権準々決勝 前橋育英高 1-0 堀越高 フクアリ] 【写真】「美しすぎ」「めっちゃ可愛い」柴崎岳の妻・真野恵里菜さんがプライベートショット披露 前橋育英高(群馬)が準々決勝で1-0の勝利を収め、7大会ぶりとなる4強入りを果たした。今夏に1年にわたるリハビリから復帰し、プレーの幅を増やしたMF竹ノ谷優駕(2年)は「あとは全部出し切るだけ」と日本一を争う国立競技場での2連戦を見据えた。 1回戦でプレミアリーグWEST勢の米子北高を破った前橋育英だが、以降はPK戦や2点差を追いつかれながらも何とか勝ち越し点を奪っての勝利と苦戦が続いた。それでも2017年度以来の準決勝進出を懸けた準々決勝では、前回緩みも見えた守備を立て直してクリーンシートを達成。中盤で球際を制して相手の攻撃を封じた竹ノ谷は手応えを示す。 「センターバック陣とかと、ここまで来たら守備はゼロで抑えたら前はやってくれると話していた。自分たちは気持ちを入れて、思いっきり気持ちを見せてやっていけば絶対俺らならできるぞと話していた。今日はそれを表現して、本当にゼロで抑えられたので良かったと思います」 竹ノ谷はMF柴野快仁(2年)が体調不良で欠場した影響もあり、2回戦以降はボランチでプレーしているが、1回戦や今季のリーグ戦は左SBとして出場していた。ただもともとの本職はボランチ。昨夏に後十字靭帯断裂の大怪我を負って1年間の離脱を余儀なくされると、復帰後はボランチとして後半の終盤から途中出場することが基本となっていた。 そうした中、山田耕介監督から負傷者が発生した左SBを務めるように任命されたという。右利きの竹ノ谷は「正直驚きとできるんかなという思い」と当時を振り返るが、名将の目はさすがだった。左SBにピタリとハマり、リーグ後半戦はフル出場を続けるまでに至った。 今大会はチーム事情もあって再びボランチとして起用されているものの、竹ノ谷は左SBを経験する中で左足のキックを磨くなどプレーの幅を増やしたといい「ボランチでも使える技術が増えたので本当に良かったと思っています」と笑顔を見せた。 もっとも1年間の離脱が判明した際にすぐに前を向けたわけではない。竹ノ谷の原動力となったのは家族の存在だ。中学時代の負傷離脱時に「お前ならできるぞ」と昨年亡くなった父から背中を押された経験を思い出し、「絶対にできるぞと自分に言い聞かせた」。決意新たに復帰後のプレーをイメージしながらリハビリに励んだという。 またアルビレックス新潟U-18に所属する双子の弟・MF竹ノ谷颯優スベディ(2年/新潟U-18)の存在も大きかった。颯優スベディが活躍する姿から得る刺激をリハビリに励むパワーに変えていたが、復帰後には弟がU-17日本代表のクロアチア遠征メンバーに招集されて「さらに刺激を受けた」。悔しさも感じた日々を乗り越えて国立競技場への切符を掴んだことには喜びを感じるところ。「色々と表現できる場所が整った。あとは自分が出し切ってもっと成長し、来年に繋げて自分も弟と一緒に代表でプレーできれば」と兄は力を込めた。 準々決勝のスタンドにも姿があった弟は決勝が開催される13日、トップチームのキャンプに帯同する予定だという。兄の優駕は「準決勝までは見に来られると言っていた。弟は残り1試合しか見れないということなのでそこで自分の良いプレーを見せる。最後は弟が13日のキャンプに行って良いプレーをして、自分は(同日の)国立の決勝で良いプレーをして最高の1日にできたら」と意気込み、そのためにも東福岡高(福岡)との準決勝での必勝を誓った。