苦しんだ末にルヴァン杯制した名古屋 前半2ゴールの永井謙佑「レベルアップにつながる」
サッカーJリーグのYBCルヴァン・カップは2日、東京・国立競技場で決勝が行われ、名古屋が3大会ぶり2度目の優勝を果たした。 名古屋の山岸が勝利を告げるPKを成功させると、主将のGKランゲラックを中心に歓喜の輪ができる。3-3の撃ち合いの末にもつれ込んだPK戦を5-4で制し、2ゴールの永井は「プロのキャリアをスタートさせたクラブでやっとタイトルが取れた」と喜びを爆発させた。 難しいゲームだった。前半42分までに永井の2得点でリードしながら、2-1に迫られて迎えた後半追加タイムに小見にPKを決められる。延長前半3分に中山のゴールで再び抜け出したものの、延長後半6分にまたしても小見に手痛いゴールを許した。 苦しんだ末に待っていたのは最高の景色だった。重圧のかかるPK戦では、5人全員が決める強い精神力と高い集中力を発揮。指揮官として3度目の優勝を飾った長谷川監督は「きょうも選手たちに勝たせてもらったと思っている」と選手に感謝の思いを伝えた。 決して満足できるシーズンではない。開幕3連敗を喫したJ1で存在感を示せず、天皇杯も2回戦で北信越1部リーグ所属クラブに番狂わせを許した。もがき続けただけに、指揮官は「積み上げてきたことが結果につながった」と安堵(あんど)感をにじませた。 苦しんでもタイトル獲得にこぎつけてしまうのだから、地力の高さをうかがわせる。「タイトル獲得で自信が芽生え、チームのレベルアップにつながる」と永井。ポテンシャルの高さは折り紙付きの選手たちが大きな自信を手にした。飛躍する準備を整えつつある。(奥山次郎)