次期メルセデス・ベンツCLA EQテクノロジーへ先行同乗 ツインモーターで約380ps 1.5L HVも
海抜2150mの雪道で3代目CLAの助手席へ
オーストリアきってのスキーリゾート、ホッホグルグル。海抜2150mという高地で、12月上旬に訪れた時には、一面銀世界だった。到着した午前中の気温は、氷点下15度。ブラックアイスバーンが、静かに近寄る者を威嚇する。峠道は、通常は閉鎖されている。 【写真】もうすぐ正式発表! 次期メルセデス・ベンツCLA EQテクノロジー サイズの近いEVたち (117枚) ところが、メルセデス・ベンツの次期CLA開発を率いるオリバー・ゾルケ氏は、ヘアピンカーブへ普段と変わらぬ様子で突っ込む。テールが僅かに外へ流れる。 「こんな道を走るなんて凄いですよね」。極端な条件にあることを彼も認めるが、新型CLAの能力を筆者へ披露するのに、最適な場所でもあるという。回生ブレーキの性能とトラクションの高さ、登り勾配での加速、サスペンションのしなやかさがポイントだ。 まだプロトタイプだが、助手席へ座っている限り、このまま量産できそうに思える。実際、ボディはカモフラージュ・ラッピングで仕立てられ、ダッシュボードは真っ黒な布が覆っているものの、99%完成しているらしい。 宿題は少し残っているそうだが、2025年3月の発表には間に合うだろう。2023年に発表されたコンセプトカーと、シルエットは似ている。ダッシュボード全面に広がるモニターが、チラ見えする。
ツインモーターで約380ps 1.5Lのハイブリッドも
今回乗せていただいたのは、CLA 4マティック・ウィズEQテクノロジー。フロントに108ps、リアに271psの駆動用モーターを積んだ四輪駆動となり、システム合計で380ps前後になると予想される。 これは、メルセデス・ベンツにとって「EV 2.0」世代となるパワートレインの1つ。現行の上位モデル、EQEやEQSのものとは大幅に異なるらしい。 ツインモーターの他に、フロントモーターを省き価格を抑えた、シングルモーターの後輪駆動も用意される。駆動用バッテリーも2種類あり、LFPセルでは容量が58kWh。NMCセルの場合、85kWhになる。 また3代目には、1.5L 4気筒ガソリンエンジンと駆動用モーターを組み合わせた、ハイブリッドもラインナップされる。システム総合で190psを発揮し、燃費はディーゼルターボ並みになるとか。発売は、2025年の年末が予定されている。 試乗車は、約380psと強力な四輪駆動。ゾルケがアクセルペダルを踏んだぶんだけ、機敏に走る。ガラスのようにツルツルな路面で。カーブでラインが乱れても、不自然に引っ掛かるような制御が入らないのは、技術の仕上がりが最終段階にある証拠だろう。 パッソ・デルロンボと呼ばれる峠道は、ひたすらカーブが続くが、時々長い直線もある。CLAのフルパワーをゾルケが召喚すると、100km/h以上まで素早く加速してみせた。有能なスタッドレスタイヤも、大きく貢献していたと思うが。