【米国株ウォッチ】約1年で株価が倍になったGE、さらに倍増する可能性は?
ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)の株価は、堅調な事業業績や航空宇宙事業の着実な成長に牽引され、2023年9月頃につけた約90ドルから米国時間10月4日現在の約187ドルまで2倍以上に上昇した。この株価上昇は堅調な業績に支えられているため、この勢いがすぐに衰えることはないだろう。投資家は、同社の事業再編の努力や戦略的なイニシアチブに信頼を寄せており、これは同社の中核セグメントにおいて、同社を持続的で、有利なポジションへと押し上げる可能性を秘めている。 ■ピークは過ぎたのか? しかし、ここで興味深い疑問は、現在の水準からさらに株価が上昇するシナリオの可能性はあるか、というものだ。 適切な追い風が吹けば、株価は今後数年間でさらに2倍に上昇する可能性があると私たちは考えている。楽観的すぎるように聞こえるだろうか。私たちはそう思っていない。同社の純利益は、長年のリストラを経て2023年度には前年比45%増と好転した。同社のこの勢いは今後も続くと私たちは見ており、同社の利益は今後数年間、年間で最大40%の成長が続く可能性があると予想している。 私たちは、そうした同社の潜在的な収益成長率、純利益率、そして今後の業績見通しなどを踏まえ、今後数年間で株価が400ドル近い水準まで上昇する道筋を描いている。 ■GE株は今、魅力的に見えるか? 全体として、S&P500種株価指数と比べGE株のパフォーマンスはかなり不安定である。GEの年間リターンは、2021年に10%、2022年にマイナス11%、2023年に94%であった。一方、S&P500のリターンは、2021年に27%、2022年マイナス19%、2023年に24%であり、GEのリターンは2021年にS&P500を下回っている。 ■収益成長と利益率の改善が鍵 先述した通り、私たちは、GEの安定した収益成長と利益率の改善により、年間利益が今後数年間、最大40%成長するシナリオを描いている。これが実現すれば、今後数年間のうちに純利益は今の水準の2倍に達するタイミングが来る。利益が2倍に成長し、投資家のGEに対する期待値が変わらない、つまりPER(株価収益率)が変わらないと仮定すれば、GE株が現在の水準から2倍になるシナリオが現実味を帯びるだろう。
Trefis Team