【パリ五輪】やり投・北口榛花 五輪直前インタビュー「やれることを全部やってパリに臨みたい」“一番”と言われる選手に近づくために
「この時代の一番の選手」に近づきたい
――2度目の大舞台になります。以前、「オリンピックは人生が変わる」ともおっしゃっていました。 「一つひとつの競技、種目に対するスポットライトの当たり方が、やっぱり世界選手権とも違うと思います。その中で、やっぱり何かを持って帰れるとたくさんの方に喜んでもらえるのかな、と」 ――世界選手権を勝っても「真の世界チャンピオンではない」とも。 「“世界一”にはいろんなバリエーションがありますが(笑)。やっぱりオリンピックも勝ちたいですし、本当にこの時代の一番だと言われる選手に近づきたい思いがあります」 ――ここからの調整について。 「今はトレーニングを頑張る時期で、全身筋肉痛なんです(笑)。ある程度は手応えも出てきました。各選手、五輪が本番という意識。絶不調では勝てない。これからは投げたり、身体をベストコンディションに持って行ったりする時間になります。ここからが重要です。ブダペストでは少し脇腹を痛めるなどアクシデントもありましたが、変なアクシデントなく積めています。予選の時にはある程度、調子が上がってきたと思って臨みたいです」 ――どんな試合をイメージしていますか。 「パリにはギリギリ(5日)に入るので、予選で会場の雰囲気を確認しつつ、できるだけきれいに通過したい。決勝はもう不調とかはどうでも良くて、本当に全力を出し切るだけです」 ――ブダペストの時みたいに大きな注目を集めるかもしれません。 「今年はずば抜けた存在じゃないし、ワールドリーダーじゃないから大丈夫だと思っているんです。そんなに注目されないと思っているんですけど……ダメですか??(笑)」 ――ダメです(笑)。ブダペストは予選の練習で歩数を間違えていましたね! 「間違ってもちゃんと予選通過できるように頑張ります!」 ――パリは初DL優勝など、相性の良い舞台だと思います。 「試合会場は違いますが、DLでも会場の盛り上がり、歓声がすごくて、刺激になったのを覚えています。また満員になると思いますし、歓声がすごい大きなスタジアムが楽しみです」 ――26歳で迎える2度目の五輪。どんな位置づけになりそうですか。 「これから先、努力を続けていけばオリンピックには出られるかもしれません。ただ、メダルを狙える、優勝を狙えるオリンピックというのは、4年に一回の大会でそう簡単じゃないと思います。今だからこそできることを、パリではやりたいです」
向永拓史/月陸編集部