海がない岐阜県で海洋ごみ対策!? 県民の誇り「長良川」の清掃活動が伊勢湾の海洋ごみ削減の第一歩に
発泡スチロールが砕かれた細かいごみを、1つ1つ回収していた女性たちもいました。 参加したボランティア女性: 「こんなに細かくなっていたら拾うのも大変。でもこれが川に流れたらもっと大変だからね」
今回の「長良川一斉清掃」で拾われたごみの総量は約1・6トン。取材した日野堂後公園では、ペットボトルやプラスチック容器に加え、工事用資材や絨毯、炊飯器に植木鉢、冷蔵庫などのごみも見つかりました。 また、実態調査の結果は45リットルのごみ袋で換算すると、ペットボトル1袋、プラスチック製食品容器が1袋、レジ袋は0・2袋。以前、調査を行った愛知県の藤前干潟に比べると、ごみの量は少ない結果に。 調査の分析を行った八千代エンジニヤリングによると、散乱ごみが少ない理由として、調査地点が藤前干潟と異なり「ごみが流れていく場所」で、他の長良川沿いと比較して人も集まりにくい場所だったということが推察されるそうです。一方で、人が集まりにくいからこそ不法投棄と思われるような粗大ごみも多数あったと考えられるそうです。
―――長良川の河川ごみの対策についてどんな課題感をもって取り組んでいますか 「まずは散乱ごみです。河川のごみは、市中に散乱しているごみが河川を通じて海に流れるため、その対策をとるのが岐阜県のスタンスです。どうしても長良川はごみが流れて集まる場所が少ないため、対策の取り方が三重県や愛知県と違い、まずは散乱しているごみを中心に拾っていこうという広い意味で取り組んでいます」 他にも岐阜県が提供しているサービスがあります。それがごみ拾いの様子を世界中に発信できるウェブページです。 「自主的な清掃活動の成果を『見える化』することで、県民における意識の醸成を図るために、ごみ拾いSNS『ピリカ』と連動するウェブページ『クリーンアップぎふ~海まで届け清流!~』を開設しています。これは『ピリカ』に投稿された清掃活動の成果等を、リアルタイムで反映しています。『ピリカ』を通じて『こういうごみを拾っていますよ』と発信することで、自主的なごみ拾いの意識を高めています」 ―――河川ごみをさらに減らしていくにはどんなことが重要ですか 「河川ごみは減っていると思います。取り組みの成果がないわけではなくて、減ってはいるんでしょうけど、どれぐらい減ったのかという集計は難しいですね。ただ、1999年からずっと続けている活動なので、このまま継続していくことが重要なんだと思います」