【旅行では気をつけて!】ご当地ワル走り5選
■伊予の早曲がり(愛媛県)
こちらも、「茨城ダッシュ」と同様に、対向直進車が接近しているのに、右折車が先に右折をしていくこと。茨城県警同様に、愛媛県警自ら「伊予の早曲がり」は危険な交通違反です!」として注意喚起をしています。 ちなみに、「山梨ルール」というのも茨城ダッシュや伊予の早曲がりと同じ行為をさしますが、茨城ダッシュや伊予の早曲がりとは違い、この地域では、「右折車を優先させる」という、ローカルルールが根付いてしまっているそう。長野県の「松本走り(松本ルールともいう)」も同様で、松本の場合は城下町であることから路地が狭く、右折車を先に行かせることで渋滞を防ぐという意図があったようです。ただ、松本市も長野県警も「(松本走りが根付いていることは)残念なこと」として、啓発に努めています。 もちろんこれらの地域で運転することがあっても、右折車を優先させる必要はありませんが、交差点で直進する際、右折待ちのクルマがいる場合は、先に曲がってくる可能性があると危険予知して、気を付けるようにしましょう。
■阿波の黄走り(徳島県)
阿波の黄走りとは、信号交差点において、黄色信号で止まらずに通行していくこと。止まるどころか加速をし、場合によっては完全に赤信号のタイミングでも交差点を通行していくことがあるそうです。 交差道路がすでに青信号に切り替わっていることも考えられ、大事故になりかねない行為。黄色信号については「注意して進め」だと勘違いしている人も多いですが、黄色の灯火は原則「進行してはならない」と、道路交通法施行令第2条において規定されています。ローカルルールだからといって、徳島では黄色信号で止まらなくていいわけではありませんので、周りのドライバーに流されず、しっかりと停止するようにしてください。
■播磨道交法(兵庫県)
「播磨道交法」とは、兵庫県の播磨地方でみられる運転に関するローカルルールを、神戸新聞社が法律の条文のようにまとめ、「播磨道交法」として神戸新聞に掲載したもの。第1章から第3章まであり、たとえば、第1章・交差点の1では、「先に入ったクルマが優先。右折時、対向車が直進してきても待つ必要がなし」、第2章・歩道、車線変更の3では「指示器は曲がると同時に出す」、第3章・附則の2では「前に人がいれば、クラクションで道を空けさせる」など、完全に道路交通法を無視した内容。 播磨地方に位置する姫路市は、前出の松本市と同様に城下町であるために道路が狭く、またクルマの交通量に対して交通容量が少ないことで効率的に道路を活用する必要があった、という事情があったといわれていますが、(播磨道交法を)知らないで運転していると、びっくりしてしまいますよね。
■まとめ
ほかにも、ウインカーを出さずに車線変更や右左折をする「岡山ルール」というのも、ご当地走りといわれています。これらのローカルルールには、松本走りや播磨道交法のように、地域の知恵として始まったものもあるようですが、その多くが道路交通法に違反しています。もちろんこれらの地域でも、多くのドライバーがルールやマナーをしっかり守って運転をしていることと思いますが、こうしたローカルルールは存在し、一部のドライバーはこうした運転をするというのは、知っておいたほうがよいかもしれませんね。 Text:吉川賢一 Photo:Adobe Stock