民進党代表選挙の候補者による共同記者会見(全文1)3候補の政見
前原誠司候補の政見
前原:皆さん、こんにちは。衆議院議員の前原でございます。このたび民進党の第1回代表選挙に立候補を決意させていただきました。今、国民の中には自民党の安倍政治に対して評価をする人はあまりいないと思います。しかし支持率は50%、60%、最大の原因は何か。受け皿となる野党がない。これが大きな原因であり、野党第1党であるわれわれの責任、これは極めて大きいと私は思っています。 いくらいいことを言っても聞いてもらえない。この状況が続いています。参議院選挙のときにある演説会場で話をして、商店街を回りました。そのときに、八百屋のおじさんに言われた、この言葉が忘れられません。いくらきれいなことを言っても、あなた方の言葉には聞く耳を持てない。あれだけ期待したのに、あの民主党政権はなんだったんだ。その言葉が今でも重くのしかかっています。 私は旧民主党政権の戦犯の1人だと思っています。あれだけ期待をいただきながら、われわれ自身、いろいろやった、できたということはそれはあるでしょう。しかし、政治は結果責任。多くの方々が失望した。そして民主党なんか二度と期待をしないという人たちがまだまだいる。この信頼を回復するのは並大抵なことではありません。 私は深い反省と、旧民主党政権ではむしろ何もできなかったんだという潔さ。そして、国民の前にいったん土下座をして、われわれの政権では皆さん方の期待に応えられなかった、申し訳なかった、しかし一強多弱、民主主義が機能しない、もう一度われわれにチャンスをいただきたい。その土下座をする先頭に、私は戦犯であるからこそふさわしいのではないか。そういう思いを強く持っています。 併せて私は今回、オール・フォー・オールという考え方を皆さん方に提示をさせていただき、民進党の新たな考え方にしたいと思います。みんながみんなのために。どういうことか。格差是正といえばお金持ちから税金をたくさん取って、貧しい方々に移転をする。これが今までの我が党も含めて、格差是正の大きな考え方でした。 税金をたくさん取られる人は租税抵抗が強くなります。これだけ納めたのに、自分に受益がない。そして、分配された先は本当に正しく使われているのか。生活保護、ベンツ乗っている人もいるじゃないか、そういう声が聞こえる。しかし皆さん、生活保護で不正受給は0.5%。しかし生活保護水準以下の生活で、生活保護を受けている人は20%以下です。8割以上の人が実はやせ我慢をして、生活保護を受給せずに、子供が学校に行っていじめられないようにということで、歯を食いしばっているシングルマザーの方々もたくさんいる。この状況をどうやって政治が救うのか。 自民党に企業をもうけさせ、株価を上げさせて、そしていずれはみんな豊かになるだろう。なってないじゃないですか。それをしっかりと再分配政策で国民の不安に答えるためには、みんなが少しずつでも負担をし合い、みんなが受益者になり、不満が生まれない、みんなが納得して税を納め、そしてサービスを、供給をして、結果として格差がなくなり、多くの方々の不安が払拭される。そんな社会をつくらなきゃいけないんではないでしょうか。 私はその先頭に立たせていただきたいと思います。これがオール・フォー・オールです。その中核は子供、そして心配をされているお年寄りです。まともに教育を受けられない子供たちがたくさんいる。全ての人に教育の機会を与えるというのは、われわれ政治家の責任ではないでしょうか。その体制ができていない日本を変えていく。行革も大事。しかしそれ以上に必要な財源についてはオール・フォー・オールの考え方に基づいて、国民の皆さま方に負担を求め、そしてゼロ歳から5歳までの就学前教育はとにかく無償化する。職業訓練、高等教育についても負担軽減をしていく。お年寄りについてもしっかりと介護、この体制を整えて、安心をしっかりと提供していく。人への投資が経済成長につながる。そういう社会をつくるために先頭に立たせていただきたい、そう思って立候補の決意をいたしました。よろしくお願い申し上げます。 司会:前原候補ありがとうございました。それでは、最後に玉木雄一郎候補、よろしくお願いいたします。