奈良と名古屋は○ でも鶴橋は☓ 駅名に「近鉄」が付く駅、付かない駅がある“謎”…はたして法則性はあるのか
JR同居組は「近鉄」を冠さないケースが多い
一方、鶴橋駅、京都駅のようにJRに同一駅名が存在するが、「近鉄」を冠しない駅はJR駅と直結、もしくはJR駅の目と鼻の先にあります。 鶴橋駅にはJR大阪環状線との間に連絡改札口があります。生駒線の王寺駅の改札を出ると、すぐ前にJR王寺駅の改札があります。ちなみに、王寺駅から150メートルほど歩くと、田原本線の新王寺駅があります。生駒線王寺駅と田原本線新王寺駅が微妙に離れている理由として敷設当初の会社が異なる点が挙げられます。 一方、例外もあります。近鉄名古屋駅は「近鉄」を冠していますが、JRの名古屋駅との間に連絡改札口が存在します。 「近鉄」を冠する駅名は2009年に近鉄・阪神との相互直通運転を機に「近鉄難波駅」から「大阪難波駅」に改称したことにより、若干の減少となりました。
自動放送でも会社で取り扱いが異なる
鶴橋駅ホームで電車を待っていると「奈良行き快速急行」という自動放送を耳にしました。一方、阪神神戸三宮駅では律義に「近鉄奈良行き快速急行」のように「近鉄」を冠します。 車内放送でも「次は八尾です」と流れ「近鉄八尾」とはいいません。近鉄沿線は聞きなれているかもしれませんが、京王の車内自動放送では「区間急行京王多摩センター行きです」のように「京王」を冠します。 このように会社ごとで、自動放送においても社名を冠する駅の取扱が異なる点は実に興味深いと思います。 ◇ ◇ 筆者が5月に河出書房新社から出版した『日本最大の私鉄 近鉄 知らなかった凄い話』は民鉄最長を誇る近鉄のおもしろ雑学ネタが詰まった本です。伊勢志摩や名古屋、大阪への旅のお供にいかがでしょうか。KAWADE夢文庫、224ページ、792円(税込)。 (まいどなニュース特約・新田 浩之)
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