10月から始まる「インボイス」って何? 免税事業者がピンチ!? なぜ… 【#みんなのギモン】
日テレNEWS
10月から始まる「インボイス」。この制度が開始される直前の9月25日、官邸前でインボイス制度導入に反対する人たちの集会が行われました。タレントや漫画家など著名人も参加し反対の声をあげました。 文筆家 栗田隆子さん 「インボイス制度延期・廃止を改めて求めます」 クリエイティブディレクター 辻愛沙子さん 「皆さんが大好きなあの漫画もあのアニメも、私たちの生活を彩っている、ありとあらゆるものが、ともすると今回のインボイス制度で失われていくかもしれない」 反対の声もありますが、まもなくスタートするインボイス制度の「メリット」「デメリット」をどこよりもわかりやすく解説します。 ●消費税を正しく公平に払う ●負担増? 倒産の不安も 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■インボイスとは「適格請求書」のこと 消費税額を細かく表示
まずは「インボイスとは何か」ということから見ていきます。「インボイス」とは日本語で「請求書」という意味です。 これまでの請求書だと、消費税がどれぐらいかかるのかが、わかりづらいものも多くありました。それが「インボイス(適格請求書)」を登録すれば、事業者名の横に登録番号が明記され、誰が発行したのかがわかります。 消費税額も細かく表示されるようになります。特にいまは、消費税の適用税率が10%と8%とあり、複雑になっています。その「仕入れの税額」を、正確に伝わる請求書にするわけです。
■消費税の納め方の流れが変わる… “免税事業者”を直撃
登録した事業者が、この新しい形の「インボイス(適格請求書)」を発行しますが、消費税額を正しく計算できることは、”いいこと”といえます。しかし、そのときの“税の流れ”を見ると、反対の声があがる理由がわかります。 たとえば、消費者が3000円のものを買う場合、消費税率10%の場合はその店(課税事業者)に300円の消費税を払います。一方、その事業者は、材料や備品を購入した仕入れ先に消費税100円を支払ったとします。 消費税とは、受け取った事業者が納めるものです。これまで店などの課税事業者は、消費者から受け取った300円から、仕入れ先に払った100円を引いた200円の消費税を納税していました。 今回変わるのは、課税事業者と仕入れ先との“事業者間の取引”です。特に影響するのは、売り上げが1000万円以下の「免税事業者」です。「免税事業者」は名前の通り、これまでは消費税の納付額は0円でした。 しかしインボイス制度が始まり、仕入れ先が「免税事業者」のままだと、仕入れ先に支払った消費税100円分はインボイスが発行できなくなります。すると、その確認ができなくなるので、事業者は消費者から受け取った消費税300円から、これまでは差し引くことができていた100円を、差し引くことができなくなります。そのため、結果的に課税事業者は、消費者から受け取った300円全てを納めなければいけなくなります。