【問題】マイナスにマイナスを掛けるとなぜプラス?「抜け毛」問題で考えると即納得だった!
洋菓子店を営む30代女性・マリさん。1年前に独立したものの、数学が苦手だった彼女はいろいろな壁にぶち当たっていた。そこで大人向けの数学塾を経営する堀口先生に教えを請い、救いの手を求めることに。今回は「マイナスとマイナスをかけると、なぜプラスになるのか」という数学の疑問をわかりやすく紐解いていく。※本稿は、堀口智之『1杯目のビールが美味しい理由を数学的に証明してみました。』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● マイナス×マイナスはなぜプラス? 誰もが最初につまずく数学の疑問 マリさん マイナスでつまずいたところを思い出しました!「マイナスとマイナスをかけるとなぜプラスになるのか」という疑問です。 堀口先生 たしかに。これは、誰もがつまずくところですよね。では、学んでいきましょうか。 まず、マイナスをかけ算する前に、かけ算の意味について考えていきましょう。3×4と4×3はなぜ等しいんだと思いますか? マリさん え、かけ算は順番を入れ替えても答えは変わらないんですよね? 堀口先生 はい。それは学校で習いましたよね。でも、その理由は? マリさん 3個のリンゴが4皿と、4個のリンゴが3皿か~。うーん等しいのはわかりますが、なぜと言われると混乱します。 堀口先生 その「●●が●●個ある」っていう考え方も、基本としてとても大切です。しかし、型として覚えているだけなので、理由を聞かれても困るかもしれませんね。 マリさん はい。困りました。 堀口先生 実は、歴史を振り返ってみると、かけ算は面積を測ることと重要なつながりがあるんです。それこそ紀元前3000年頃から始まったエジプト文明。ナイル川の氾濫や洪水が頻繁にあったと言われています。そんなとき、自分たちの土地が流されて、どこからどこまでが自分の土地と言えるのかわからなくなったことがあったわけです。だから、土地の面積を測る必要がありました。かけ算を活用したら面積は測れますよね。つまり、縦×横です。 ● かけ算の順番を変えても答えは変わらない でも、-2個ってどういう意味? 堀口先生 例えば、その面積が3m×4mと、4m×3mって面積は違いますか? マリさん いえ、同じです。 堀口先生 立つ場所を変えれば、どちらが縦でも横でもよいですね。面積は簡単に求めることができるわけです。 堀口先生 これが、かけ算の順番を変えても答えが変わらない理由です。