【問題】マイナスにマイナスを掛けるとなぜプラス?「抜け毛」問題で考えると即納得だった!
マリさん なるほど、納得しました! 堀口先生 では、次に、こんな問題を出してみましょう。先ほど3×4を、3個のリンゴが4皿、と解釈されましたが、同様に考えると、(-2)×3っていくつになると解釈できそうですか? マリさん えっと、-2が3個あるから、-6ですか? 堀口先生 はい。その通り!じゃ、3×(-2)は? マリさん あれ?3が-2個分って……?よくわからなくなりますね。 堀口先生 ですよね。でも、かけ算って順番が逆になっても答えは一緒ですよね。 ということは、先ほどと同じ問題になります。3×(-2)=(-2)×3なので、答えが同じ-6にならないとおかしいですね。3がマイナス2個分と考えると混乱しますが、答えは-6とならざるを得ないわけです。一度そのような法則やルールを決めたら、そのルールに従うように演算の答えも考えていく必要があるんですね。 マリさん なるほど。数学が論理って言われている理由が理解できる気がします。 ● マイナス●個がわからないなら 数値線上で考えてみよう! 堀口先生 もう少し式を変形してあげると、その式の持つ意味がより深くわかってくることでしょう。3×(-2)についてもう少し説明しますね。-2=(-1)×2ですから、つまり-2は、-1が2個分といえます。よって、3×(-2)=3×(-1)×2=3×2×(-1)と変形できますね。つまり、6×(-1)となるわけです。 ここで-1をかけるということがどういうことにつながるのかを一緒に考えていきましょう。数直線で考えます。 堀口先生 6×(-1)は数値線上で6が-6に移動することになります。つまり、6が-1個あるとは、原点を中心に180度回転する、もしくは、原点について対称となる位置にその数を移動させることなんです。つまり、-1個あるとは、回転だったのです!
マリさん -1個ある、と考えてしまうと混乱しますが、マイナスは数直線上においての回転、と考えるということですね。つまり、「×(-2)」は、「2×(-1)」と考えてしまえば、2倍したものを回転させる、となるわけですね。 堀口先生 その通りです!つまり、(-1)×(-1)はどのように考えるんでしょうか。 マリさん -1にある点を原点を中心にして回転させるのであれば、1に戻る……!すごい!! 堀口先生 はい。素晴らしい!(-1)×(-1)=1になる理由がわかりましたね。 ● マイナス同士のかけ算は 日常的な話でも説明は可能! マリさん マイナス同士をかけ算すると、プラスになることはわかりましたが、でも、日常的な話ではなくて、数学で説明しているだけのようにも聞こえます。ああ、数学が嫌だった理由を思い出してきました……! 堀口先生 数学は合理的にできているので、先ほどのような説明をしたのですが、たしかに数学的すぎましたね。でも、現実でもきちんと説明できるんですよ。先ほどマイナスは、時間軸を想定するからこそ考えられるという話をしました。では、時間が経つと、減っていくものって何があるでしょう。 マリさん 時間が経つと減る……?お金ですか? 堀口先生 お金も減りますね。あと、最近私、抜け毛がひどいんですよ。悲しいことに。 マリさん 先生もそういったこと気にされるんですね。 堀口先生 いや、人からどう見られるかってやっぱり大事じゃないですか。もちろん、髪の毛が減っても、自信は減らないのですが(笑)。視線は多少気になるわけです。で、この抜け毛ってマイナスのかけ算で計算できるんですよ。 マリさん えっ!いきなりきましたね。