サプリ品質管理、厳格基準なく 体調悪化「摂取中止を」
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る問題は、健康志向が高まり気軽にサプリなどを摂取する人が増えていることが健康被害拡大の一因だ。入院した人は11日までに延べ270人以上。錠剤やカプセル状の健康食品は外見が医薬品のようでも、品質管理は製造者任せで厳格な基準はない。専門家は「体調が悪くなったらすぐに飲むのをやめてほしい」と強調する。 2019年の国民健康・栄養調査によると、サプリなどの健康食品を摂取している20歳以上の人は34.4%。健康食品は本来、健康の維持や増進が目的で、医薬品とは異なるが、国民生活センターが19年に公表した摂取者実態調査では、病気の治療や緩和を目的とする人が約2割いた。錠剤やカプセル状の健康食品に「厳格に製造され品質が安定している」とのイメージを持っている人が7割以上を占めた。 食品安全委員会は15年に健康食品の注意点をまとめた「19のメッセージ」を出し、リスクも挙げて「本当に自分に必要か考えてほしい」と呼びかけてきた。