別格の強さ… ジェシー“バム”ロドリゲス、PFP7位の実力を見せつけ団体内統一【ボクシング】
ボクシングWBCスーパーフライ級王座統一戦が9日、米フィラデルフィアのウェルスファーゴセンターで行われ、正規王者ジェシー”バム”ロドリゲス(24)=米国、帝拳=が暫定王者ペドロ・ゲバラ(35)=メキシコ=を3回2分47秒TKOで下し団体内統一を果たした。KO負け経験のなかった元WBCライトフライ級王者を2度倒し、米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級最強ランキング)7位の実力を見せつけた。 別格の強さだった。序盤から強烈なプレスをかけ、高いガードの間を貫いて的確にパンチをヒットしていく。迎えた3回、鋭い左ストレートで顔面をとらえて1度目のダウンを奪取。再開後は体を入れ替えながら放つ芸術的な右アッパーでとどめを刺した。 気になるのは今後だ。実況席では世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)とのドリームマッチを期待する声が出た。ただ、ロドリゲスは「今はスーパーフライ級が自分に合っている。あと2、3試合はしたい。まずは統一戦だ」と、階級を上げる前に他団体王者との王座統一戦を希望した。陣営はWBA王者マルティネス(アルゼンチン)、WBO王者カフ(南アフリカ)どちらとの対戦も歓迎する姿勢だ。 ただ、統一戦が実現しなかった場合は他の道もある。元PFP1位で元世界4階級制覇王者のレジェンド、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)戦だ。 ロドリゲスはこれまで元WBCスーパーフライ級王者シーサケット(タイ)、同クアドラス(メキシコ)、元世界2階級制覇王者エストラダ(メキシコ)という、かつてスーパーフライ級で”4強”と言われてきたレジェンドのうち3人を倒してきた。最後に残る1人がゴンサレス。倒せば「レジェンドスレイヤー(伝説殺し)」という異名が盤石のものになる。 この試合をプロモートしたマッチルーム社エディー・ハーン社長は「まずは統一戦。ただ、ゴンサレスはいま無冠で挑戦を求めている。最も挑戦しがいがあるのは間違いなくロドリゲスだ」と、対戦を後押しする姿勢。ビッグマッチを次々に実現させているサウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アル・シェイク長官にも「ロドリゲスをリヤドに呼ぶときだ」とアピールしていた。(写真はAP)
中日スポーツ