スマホ時代の小型軽量HMD「GOOVIS G3X Pro」レビュー 視力が悪くても楽しめる!
やはり便利だと感じたのは、iPhoneなどのスマホはUSB Type-Cケーブル1本で接続できること。スマホならではの軽快な操作や豊富なアプリを用い、ふだんスマホで動画を見るのと同じ感覚で格段に大きくキレイな画面で映画や動画をリッチに楽しめるのは満足でした。
パソコンに接続すればパソコンの画面も大きく表示できますが、手元がまったく見えなくなるので、キーボードやマウスが操作しづらくなります。周囲の様子がスルー画で見え、キーボードやマウスの操作もできるApple Vision Proとは異なり、GOOVIS G3X Proはあくまでエンタメ向けのHMD、と考えた方がよいでしょう。 内蔵の有機ELパネルは片目でフルHD、両目で4K相当の解像度を持ちます。表示も大きく、映画館の前方5列目ぐらいで見ている印象でした。大型のアイカップにより周囲の光はほぼ遮られるため、没入感は上々です。
■視力の悪い人でも裸眼で楽しめる調整機能が優れる この優れた表示性能を引き立てているのが、本体に備わる柔軟な補正機能です。視力に合わせて見え方を調整する視度調整機能と、瞳の間の距離を調整する機能を備えており、それぞれ本体下に設けた大型ダイヤルで細かく調整できます。特筆すべきなのが調整範囲の広さで、視度調整機能は+2D~-8Dまで調整でき、ド近眼&老眼が進む筆者でも裸眼で鮮明に見えるよう調整できました。
多くのHMDは眼鏡を外さないと使えず、それでいて専用の補正用レンズはかなり高価な場合が多く、眼鏡が手放せない人はHMDを満足して利用できないケースが少なくありません。眼鏡を外した裸眼でも精細に楽しめる構造を採用している点は、GOOVIS G3X Pro一番のポイントだと感じました。 優れた表示性能に反してガッカリしたのがサウンド性能です。両耳部分にステレオスピーカーを内蔵するものの、パンチのないペラペラなサウンドで拍子抜けしました。側面のイヤホン端子を利用すれば有線イヤホンが接続できますが、スマホを接続しているならスマホと連携させたワイヤレスイヤホンが使えます。iPhoneなら、ふだん使っているAirPodsシリーズがそのまま利用でき、アクティブノイズキャンセリングを効かせた状態で映像とサウンドに没入できます。Apple TV+の空間オーディオ対応ビデオならば、奥行き感のあるリアルなサウンドとともに楽しめます。