モノと感情を溜め込むと夫婦関係も悪化する 片づけのプロが見た「片づけ」と「夫婦」の関係とは
・あなたにはゴミに見えるものでも相手にとっては宝物 夫の「ため込み癖」や「意味のわからないコレクション」に悩む方は多いです。片づけを始めるとそれらが目に余り、夫に断りなくドンドン捨てて大ゲンカになってしまった、という方が時々います。片づけはまずは自分のテリトリーから始めて、相手のモノには手をつけないのが鉄則です。お互い何も言わなくても、行動をしていれば「なんか最近片づけているな」ということは伝わります。夫の所有物の「手放す」「残す」は夫自身に決めてもらうことが大切です。 ・協力してくれたらいつもの「100倍」の感謝を伝える 「100倍とは大げさな!」という声が聞こえてきそうですが、コミュニケーション不全に陥っている夫婦ではそれぐらいの気持ちでいないと「ありがとう」の言葉ひとつが出てこないんです。「ありがとう」と感謝を伝えることはコミュニケーションの入り口です。仕事相手やママ友にはよく言うのに、なぜか夫や子どもにはあまり言っていなかったわ、とおっしゃる方がいます。「今さら恥ずかしい」という方もいます。まずはゴミを捨ててくれた、自分が食べたお皿をシンクまで運んだ、など些細なことから感謝の言葉を伝えてみましょう。「〇〇やって!」と言うより何倍も相手を動かす力があることを実感できると思いますよ。 ・期待でなく希望をつたえる コミュニケーションにおいて、相手に怒りや不満を感じるのは、相手に対する期待があるからです。期待があるからその結果を得られないと「裏切られたた」という気持ちになり、怒りが湧くんですよね。例えば、「〇日までにここを片づけて」と夫に伝えた場合、それは妻の気持ちを一方的に夫に押しつけていることになり、夫側に「やらない」という選択肢はありません。夫は自分の気持ちを蔑ろにされていると感じ、やりたくなくなる。やらないと妻の怒りは爆発する、という負のサイクルになります。しかし、「〇日までにここを片づけてもらえると嬉しいけど、あなたはどうする?」と「希望」で伝えれば、相手に対する要求は低くなり、それをやるか、やらないかの選択は相手にあることになります。やらなかったとしても、「希望していただけなんだから仕方ない」と思うこともできます。少しの違いですが、この考えを頭の片隅においておくだけで、ストレスがグンと減ります。 そもそも相手に対する「期待」はその通りに実現することの方が稀です。コミュニケーションをとる上で一番いけないのは、相手に期待しすぎることです。 ※西崎彩智著『人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』より抜粋
西崎彩智