琉球ゴールデンキングスに5年ぶりの復帰、佐々宜央の覚悟(前編)「沖縄への恩返しの気持ちを1番に戻ってきました」
「大事にしてきたことを振り返ったり、足元を見ることが必要な時のために自分がいる」
――琉球からのオファーを受けた決め手を教えてください。 桶さんとの関係もありますが、それ以上にキングス、キングスファン、沖縄のためにという思いです。5年前、どんな事情があるにせよシーズン途中に離脱してしまいましたが、僕はキングス、沖縄の人々、沖縄県という土地が本当に好きです。それに今の僕の立場があるのは、キングスで初めてヘッドコーチをやらせてもらったおかげです。 キングスであり、沖縄に育ててもらった恩をどこかで返したい思いはずっと持ち続けていました。僕について、キングスをかつて裏切ったと感じている人もいるかもしれないです。ただ、周りからどのように思われてもそれは仕方ないですし、僕は感謝の気持ちしか持っていないです。だからこそ、Bリーグの優勝、ワールドカップ、オリンピックとこれまでの経験で得たものを還元していきたい。もちろん優勝を狙っていきますが、何よりもキングス、沖縄への恩返しの気持ちを1番に戻ってきました。 ――この5年間の様々な経験を生かし、自分が果たすべく役割はどんなモノになると考えていますか。 これは、僕がキングスを離れてからもう5年が経ったことに集約されていると思います。この5年間でキングスはものすごいスピードで進化しました。前回、僕が在籍していた時はチャンピオンシップでセミファイナル止まりだったのが、今は3年連続でファイナルに行き、優勝も達成しています。そして5年前にはなかった沖縄アリーナができて環境も一気に良くなり、今は会社としても成長し社員の人の数も大きく増えています。 このように規模が大きくなっていく中でも、元々キングスが持っていた良さ、大事にしているものを見失ってはいけない。急激に成長しているからこそ、今のキングスは原点に立ち返る時期でもある。安永さんをはじめ、トップの人たちはそれを強く感じているのではないでしょうか。前だけを向いてチームをグレードアップしていく状況だったら、僕はおそらく呼ばれていないと思います。これまで大事にしてきたことを振り返ったり、足元を見ることが必要な時のために自分がいる。そういう自分にしかできない部分があると思うので、力になりたいとより感じました。最終的にはバージョンアップしていく上でも、今は土台をより固めていくフェーズだと安永さんや桶さんは考えている。だから、僕を呼んでくれたという風に受け止めています。
バスケット・カウント編集部