痩せたい人必見!管理栄養士が教える〈朝おにぎりにちょい足しするだけ〉ダイエットに最適な具材とは?
ダイエットでとても重要な役割を果たす朝食。「朝は食べるべきか否か。」という話題から「朝○○を食べるとダイエットに良い」という説まで、実に様々なことが言われていますね。個人のライフスタイルや体質によって正解は一つではありませんが、ダイエットは続けやすいことが大切です。そこで今回は、日本人のソウルフードとも言えるおにぎりで朝食のダイエットに役立つポイントについてお伝えします。 <写真>朝、おにぎりにちょい足しするだけの「ダイエットに最適な具材」とは? ■朝食おにぎりのメリット ■■消化時間が長い 消化吸収の時間が短いとすぐにお腹が空いて満足度が下がります。そうすると間食が欲しくなりダイエット中には好ましくありません。おにぎりは他の炭水化物のパンやパスタなどの小麦食品に比べ消化吸収に時間がかかります。その理由はいくつかありますが、デンプンの構造がお米の場合はパンの主成分である小麦よりも複雑であることや噛む回数がパンよりも多くなることなどが挙げられます。 ■■栄養バランスがとりやすい おにぎりは昔から日本で食べられているだけあり、さまざまな食材と相性が良いことが知られていて、栄養バランスを調整しやすいポイントがあります。また具材だけでなく、お米の種類を玄米や雑穀米などにすることでも食物繊維やミネラルがアップするメリットがあります。 ■■血糖値が上がりにくい 血糖値が上がりやすい食べ物を摂取するとそれを下げるためにインスリンという体内物質が大量に分泌されます。 インスリンは血糖値を下げる働きをしますが、その結果、血糖値が急激に下がると空腹感を感じやすくなり、間食や過食につながることがあります。安定した血糖値を保つことは、満腹感を持続させ、過食を防ぐために重要です。 インスリンは血糖値を下げるだけでなく、脂肪の蓄積を促進する働きもあります。高血糖状態が続くと、インスリンが頻繁に分泌され、脂肪細胞に脂肪が蓄積されやすくなります。したがって、血糖値をコントロールすることは、体脂肪の増加を防ぐためにも重要です。 おにぎりに使われる日本で流通されている米は、一般的に粘り気のある短粒米です。単粒米はアミロペクチンというデンプンを多く含んでおり、消化吸収がゆっくり進行します。そのため血糖値の急激な上昇が抑えられます。 また、おにぎりは冷えた状態で食べられることが多く、炊いた米が冷めるとデンプンの一部がレジスタントスターチ(難消化性デンプン)に変わります。レジスタントスターチは腸内でゆっくりと消化されるため、血糖値の上昇が緩やかになるのです。 ■朝食おにぎりダイエットにおすすめの具材 ■■たんぱく質 ダイエット中は筋肉量を落とさないためにも、また食事の満足度を上げるためにもたんぱく質は欠かせません。おにぎりの具材にも取り入れると良いです。 おにぎりなら、鮭がおすすめです。たんぱく質はもちろん代謝に役立つビタミンB群、内臓脂肪や皮下脂肪の燃焼を助ける「アスタキサンチン」という赤い色素も含まれています。 ■■食物繊維 食物繊維もダイエットには不可欠です。とくに不溶性食物繊維と呼ばれる水に溶けにくい食物繊維は消化に時間がかるため長時間満腹感を維持するのに役立ちます。また血糖の急激な上昇も抑え、腸内の環境も維持してくれます。 おにぎりなら、海藻類。中でも代表的な海苔や昆布、ひじきなどが相性がよくておすすめです。 ■■ビタミン&ミネラル ビタミンやミネラルもダイエット中にはとても重要です。体内でのエネルギー代謝を支える役割を果たします。例えば、ビタミンB群は炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に関与しており、これらの栄養素をエネルギーに変換するために必要です。ミネラルのマグネシウムもエネルギー産生に重要な役割を果たしています。ビタミンB群やマグネシウムは、神経系の健康維持に関与しており、ストレスや不安を軽減する効果があります。ダイエット中の精神的な健康を保つためには、これらの栄養素が必要です。 おにぎりなら、アクのない葉物野菜がおすすめです。 ■おにぎりを作るときの注意点とポイント ■■細菌汚染のリスク おにぎりを握ってからすぐに食べないときは、傷まないように注意が必要です。また、おにぎりに雑菌がつかないように、ラップや薄手の使い捨て手袋を利用するのも良いでしょう。おにぎりを温かいうちに包むのも雑菌が繁殖しやすくなるので少し冷ましてからにぎるのもポイントです。 ■■塩分調整 シンプルな塩おにぎりはとてもおいしいですが、たくさんの具材を入れる場合、具材の塩分の塩梅を考慮することも大切です。塩には防腐効果があり、細菌の繁殖を抑える働きがあります。おにぎりに塩を使うことで、保存期間が延び、食中毒のリスクを減らすことができます。特に夏場や長時間の保存が必要な場合に有効です。ですから塩分がほとんどないような具材でおにぎりを作るときは、塩を忘れずに。ただし塩分が高い具材を複数入れるときは、塩を入れないか量を調節するとよいでしょう。 ■レシピ ■■鮭、三つ葉、とろろ昆布のおにぎり 【材料】2個分 ・ご飯 お茶碗大盛1杯 ・鮭 1/2切れ ・とろろ昆布 大さじ3 ・三つ葉 1株 【作り方】 鮭は焼いてほぐしておく。 三つ葉は2㎝程度のざく切りにしておく。 ご飯は炊きたてなら冷ましておく。 ボールにご飯と鮭、三つ葉、とろろ昆布をまんべんなく混ぜる。 ラップに適量を広げ握って完成。 ※今回ご紹介した3つの具材がなかったら、代替の食材でも可能です。「赤、黒、緑」の3色を使うというように大まかに覚えていただければわかりやすいかと思います。赤は鮭などのたんぱく源が代表的ですが、黒は海藻、緑は葉物野菜とイメージしてみてください。 ライター/亘美玲(管理栄養士)
亘美玲