富裕層の「ライフプランニング」と「リスクマネジメント」…安定的な資産運用・遺産分割を実現する、プライベートバンカーの手法とは?【公認会計士が解説】
自分や家族の将来のため、安定的な資産形成を行いたいと考える資産家の方は多いでしょう。ここでは、バランスシートやキャッシュフロー表を用いて生命保険の活用法を考える、プライベートバンカーたちの手法を紹介します。メガバンク出身の公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「バランスシート」の作成と分析
個人の財産状況を把握するには「バランスシート」と「キャッシュフロー表」の2つを作成し、それぞれ分析することが必要です。 バランスシートでは、資産と負債を時価で評価して計上し、未払い相続税額も計上します。そして、資産から負債を差し引いて純資産を出します。未払い相続税額を算出するには、資産の相続税評価が必要になります。 バランスシートを分析する際には、確認すべきポイントがいくつかあります。 まず、資産がリスク許容度内で適切に分散されており、必要な流動性が確保されているかを確認します。そして、相続時の遺産分割が容易な資産構成になっているかを確認します。さらに、負債が返済可能か、未払い相続税額を支払い可能かについても確認します。 これらの点を検討することで、個人財産の問題点を明らかにし、それに対する適切な対策を講じることが可能になります。
中小企業経営者・不動産オーナーの「リスク許容度」
プライベートバンカーのお客様は中小企業経営者や不動産オーナーが多く、事業を運営しています。そのため、資産構成は自社株や不動産が中心です。 中小企業経営者のリスク許容度は、3つのタイプに分けることが可能です。 【Aタイプ】事業が順調なため、金融資産の運用でも積極的にリスクを取りたいと考える 【Bタイプ】事業リスクが高いため、金融資産の運用ではリスクを低くしたいと考える 【Cタイプ】事業と負の相関関係を持つ金融資産で運用することを希望する また、資産家の方の属性によってニーズが異なりますから、 (1)中小企業オーナー (2)上場企業オーナー株主 (3)不動産オーナー (4)プロフェッショナル (5)代々の資産家 上記の5つの属性に分けて、固有のニーズを把握します。
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