相手の目を見て「ごめんなさい」は絶対NG…悪質クレーマーから自分を守るための"5大ルール"
■「転売ヤー=非顧客」とも言い切れない ここ数年、限定商品を転売目的で大量購入する人たちの様子がニュースなどでよく取りあげられており、議論を巻き起こしています。たしかに一見、迷惑行為に見えます。でもこの事例だけでは、「非顧客」とは言い切れません。 「せどり」という言葉を聞いたことはありませんか? 購入した金額より、付加価値をつけて高く売る商売のことで、古本屋や古物商はこれに当たります。つまり、転売目的での商品購入自体は、法律に違反しているわけではないのです。店の方針によっては「大量購入してくださる良いお客様」と捉える場合もあるでしょう。 ただし、もし買い占めが原因で、商品を買えないお客様からクレームが入り、通常業務に支障が出たり、店舗の評判が落ちたりするようなら、「非顧客」と判断されるかもしれません。このように、業界・業種・業態によって、「非顧客」の定義は異なります。 また、「無理難題を押し付けてくるお客様」も、一概に「非顧客」と決め着けるのは危険です。なぜなら、文句を言う権利は誰にでもあるからです。もちろん「できない」と断っても、繰り返し要求をしてくる場合や、脅迫的な言動やスタッフが身の危険を感じるような言葉を伴う場合は別ですが、対応者が一目で判断することは厳しいのです。 ■常に「お客様対応モード」で対応する必要はない 「非顧客」と判断するべきか否かは、組織があらゆるリスクを考えて決定します。私が研修などでお伝えしてきた今までのクレーム対応は「お客様をファンに変える」という観点で行ってきました。この原則は、どんな時代が来ようと揺るぎません。 しかし、「非顧客」であるにもかかわらず「お客様対応モード」で対応してしまえば、相手は増長し、無理な要求に拍車が掛かり、扱いに困るような厄介なクレーマーに変貌するでしょう。 逆に一般クレームの範囲なのに、判断を誤り「非顧客」として対応をしたら「何の改善もされないどころか、迷惑クレーマー扱いされた」と、お客様は憤慨してしまいます。 「顧客」「非顧客」の判断を、現場で対応しているスタッフ個人の感覚に委ねるのはとても危険です。対応者のスキル不足や個人のその時々の感情によってお客様を選別するようなケースを避ける必要があります。同じようなクレームなのに対応に差が出て整合性がとれなくなってしまえば、組織としての在り方を問われる事態が生じます。 その判断は現場スタッフに任せるべきものではないのです。