ヤマハが「次世代EVスポーツカー」に高出力モーター搭載へ 英ケータハムと提携 試作車は来年完成予定
複数の日本企業が深く関わることに
ヤマハは二輪車事業で世界第3位のシェア(2022年)を誇るが、四輪のロードカーを量産したことはない。ただ、2015年にゴードン・マレー氏と共同でデザインした小型スポーツカー「スポーツライド・コンセプト」を公開するなど、四輪車への関心は高い。 時代を遡れば、1990年代初頭にもV12エンジン搭載のスーパーカー「OX99-11」のプロトタイプを少数製作している。 いずれも量産化には至らず、ヤマハは2018年末に独自の四輪車開発の凍結を発表した。しかし、プロジェクトVのパワートレイン開発においては、パッケージング、構造、エンジニアリングに関する知見を活用できることは間違いない。 レイシュリーCEOは、「これまでと変わらず、軽量で、シンプルで、運転するのが楽しい」クルマを目指すとしている。 プロジェクトVのプロトタイプは2025年半ばまでに完成する予定だが、量産車の発売時期は当初予定されていた2026年より遅れる可能性があるという。 「最終的な生産開始(時期)については推測したくありませんが、2026年は難しいでしょう」とレイシュリーCEOは語った。 プロトタイプの開発・製作には、東京R&Dも参画する。東京R&Dはこれまで、国内メーカー向けにさまざまな実験用プロトタイプやテスト車両、コンセプトカーの開発に携わってきた。また、2004年から2008年まで、ホンダ製エンジンを搭載したコンパクトな2シーター・スポーツカー「Vemac RD200」を生産していた。 ケータハムは日本のVTホールディングス傘下にあり、今回も日本企業2社との提携となる。とはいえ、プロジェクトVの生産は日本で行われるわけではなさそうだ。エンジンを搭載したセブンシリーズは英国で生産されている。 しかし、ケータハムは以前、プロジェクトVの生産については既存のダートフォード工場ではなく、委託生産も視野に複数の企業と交渉を進めていることを明らかにした。レイシュリーCEOは「生産地については未決定」としている。
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)