田中希実が5000m3連覇、疲労残る中でも独走…きょう3冠かけ800に挑戦
陸上・日本選手権第3日(29日・新潟デンカビッグスワンスタジアム=読売新聞社後援)――パリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、女子5000メートルは既に五輪代表に決まっている田中希実(ニューバランス)が15分23秒72で制し、3年連続で1500メートルとの2冠を果たした。
トラックは田中の独壇場となった。女子5000メートルを15分23秒72で制し、1500メートルとの3年連続の2冠。「記録より順位。内容はいまいちだが、勝ち切れたのはうれしい」と納得の表情を浮かべた。
2時間半前に800メートル予選を走り、疲労も残る中のレース。序盤のスローペースに、たまらず先頭に立つと、難なく一人旅となった。「自分が最大限の力を出し、そこに絡んでくる選手がいるレースが増えれば」。自身に挑むこともなく、2位争いに終始した後続にエールを送るほど、次元の違う走りだった。
2種目で代表内定を勝ち取り、残すは挑戦者として臨む800メートル決勝。3種目出場は五輪を見据え、「きつい日程の中で攻めていく」という狙いがある。連戦の経験やスピード強化だけではなく、不得意種目であっても「最後まで1番を競うレースがしたい」という思いもある。アスリートとしての刺激を求め、初の3冠に挑む。(井上敬雄)