50歳、「卒母宣言」で人生が好転。がんばりすぎずに自分の時間ができた
多くの人の心のなかに、無意識に存在する「お母さんはこうあるべき」という呪縛。大学生と高校生の息子をもつグラフィックデザイナーの田中千絵さん(50歳)も、理想の母親像に縛られ、しんどさを感じていたそう。そこで、田中さんは息子の思春期をきっかけに“卒母”を宣言。自分の時間を取り戻すきっかけとなった“卒母”という考え方や、卒母をするための準備について伺いました。 【円グラフ】“今”と“理想”の役割
子どもの思春期をきっかけにやりすぎていた母親業を見直し
「私はもともと家事が苦手。なのに、『お母さんは完璧じゃなきゃ』という思い込みがあって、家事も家族のこともがんばりすぎていたんです。でも子どもが成長して、思春期特有の衝突や『これ、私じゃなくてもできるんしゃない?』という家事が増えてきて。自分も中年期に入り、体力、気力の低下を感じ始めたことも重なり、背負いすぎていた母としての役割を見直そうと決意。家族に“卒母”を宣言しました」 そこで取り入れたのが、家を“寮”として捉える、という考え方です。 「家を寮のような仕組みにして、私は寮母さんの立ち位置で子どもたちを見守る。そんなふうにして家族みんなの自立を目指し、人生の軸を『母』から『自分』に戻していけたらと。とはいえまだ道の途中。無理のない方法を模索しながら、止まっていた自分の時間を動かしていきたいと思っています」
“卒母”前にしておくといい3つのアクション
“卒母”したいと思ったときに、やっていくといい準備や試してみてほしいことを紹介します。
●1:自分の“今”と“理想”の役割を円グラフにする
日々の自分の役割をグラフに書き、母親業の割合を確認。「本当はなにに時間を割きたいのか、理想も書き出せば、今やるべきこと、手放すべきものが見えてくるはず」
●2:家事の不安や不満を書き出してみる
忙しさを理由に目をつぶっていた不安や不満を書き出して、あらためて向き合ってみましょう。「その原因や解決方法を考えることが、家事の役割減につながります」
●3:“うそ寝”して自分の体と家族の様子をチェック
卒母に踏みきれない人は“うそ寝”をしてみて。「『お母さんはいつも元気なわけじゃない!』という家族へのアピールになり、体の声に耳を傾けるいいきっかけにもなりますよ」
ESSE編集部