独自AIで営業力を強化!「バイトル」運営のディップが活用する3つのツール
ディップのケースは、国内求人業界でもトップレベルの先進事例といって良さそうだが、徳澄さんは、「AIに任せられる業務はまだまだ残っている」と明かす。 「私たちの強みは、現場に足を運び、お客さまの課題や勤務地の雰囲気を肌で感じてケアできることにあります。お客さまの期待に応えるには、より多くの時間を捻出する必要がありますが、ツールは充実してきたものの、効率化とまではいかないメンバーも多いのが実情です。ITの得手不得手に関係なく、営業活動にAIをどう取り入れていくか、真剣に考えなければならない段階に来ていると思います」(徳澄さん) 一方で、すでにAIを使いこなしている営業は、「AIを使っている」という感覚がないという。ここは、開発した進藤さんらの工夫が光るポイントだ。 「レコリンの裏側では、機械同士が重複リストをまとめたり、アポが取りやすそうな顧客の優先順位を上げたり、さまざまな仕組みが動いています。しかし、ユーザーである営業担当者がそれに気づくことはありません。AIだから使うのではなく、煩雑な業務が楽になるとか、有益な情報が得られて便利だとか、そういう使われ方を目指したほうが、いつの間にか業務に浸透していくと思うんです」(進藤さん) ● できる営業に見られる AI活用の共通点 社内ではすでに、これらのAIを率先して活用し、高い成果を上げている営業担当者が現れ始めているという。彼らに共通しているのは、ツールの使い方や得られたノウハウをメンバーに積極的にシェアする姿勢だという。手柄を独り占めにせず、仲間に還元しようとする者に、営業の女神は微笑むのだろうか。 また、徳澄さんは、「生成AIを活用するのが上手な人は、マネージャーとしての適性も高い」と実感を込める。生成AIから望ましいアウトプットを得るには、適切な指示(プロンプト)を送る能力が不可欠だ。つまり、効果的なプロンプトが作れるマネージャーは、チームメンバーを動かすことにも長けている傾向があるということだ。