「いい案件はすぐに埋まる」「その日にふらっとは難しい」。スポットバイトアプリの「タイミー」がまもなく上場。実際にやってみると「便利」で「早く」「稼げる」アプリだった。が、一方で”本質的な課題”も見えて。
スキマ時間の有効活用をしている、というよりも、どちらかといえば、これまでのバイトに変わる、割がよく、なおかつ入金も早い便利な働き口、としてタイミーが享受されている様子なのだ。 実際、私も、本業の合間にちょっとだけ時間ができて、「よし、調査でタイミーしてみるか」と思って仕事を探しても、すでに開始時間が過ぎてしまっていたり、勤務時間のその次の予定にかぶってしまっていたりで、「思い立ったが吉日」できない時がほとんどだった。
それでも、なんとかタイミーで働きたいときは、むしろ前々日ぐらいにあらかじめ案件を決めておき、「タイミーありき」でその日のスケジュールを組むことがほとんど。これって、スキマ時間で働いているとはいえないんじゃないか? と思うことも多い。 ■住んでいる場所によっても利便性の違いが 特に、こうした「あらかじめ案件を決めておかないといけない問題」は、例えば、郊外や田舎に住んでいると大きな問題である。話を聞いていた彼も、東京の郊外に住んでいて、「今日は働くぞ」という日には、都心に出てきていたという。
「地元ではふらっと働くって、なかなかできないですね。そもそも仕事の案件が少ないんで」 彼はタイミーで予定を組みつつ、その予定の合間は、HELLO CYCLINGなどのシェアサイクルで借りた自転車でUber Eatsなどをやるのだという。つまり、タイミーを使うときは「稼ぎ時」として、都心に出て、1日がかりでタイミーをする。ますます「スポットバイト」としてのタイミーというよりも、通常の「バイト」としてのタイミーの側面が強くなっていると思う。
また、これは私自身が感じた問題でもあるのだが、タイミーが広がるにつれて、初心者が参入しづらくなるのでは? という懸念も持った。 というのは、タイミーの仕事一覧を見ているとわかるのだが、求人募集の条件に「タイミーでのワーク〇回以上の方限定」とか、「タイミーでこの仕事と同じ仕事を経験したことのある方のみ」など、かなり条件面での制約があることが多いのだ。 タイミーの成功を受けて、「メルカリ ハロ」をはじめとして、後発のスポットバイトのシステムも増えてきた。すると、中には「プロ スキマワーカー」的な人も登場し始める(ちなみにタイミーには、働いた時間に応じてプロフィールに称号が与えられる。これはレベルアップみたいで楽しい)。