「いい案件はすぐに埋まる」「その日にふらっとは難しい」。スポットバイトアプリの「タイミー」がまもなく上場。実際にやってみると「便利」で「早く」「稼げる」アプリだった。が、一方で”本質的な課題”も見えて。
しかし、タイミーは、銀行口座の登録さえしていれば、働いたその日に入金される。このスピード感は、他のバイトではないものだ。 また、好条件のバイトが多いこともメリットの1つ。企業側も、「今日、スポットでこの人手が足りない!」という場合が多いのだろう、時給2000円のバイトがあったり、あるいは予定業務時間よりも短い時間で業務が終わり、なおかつ予定されていて金額がそのままもらえる案件なども多い。スポットバイトアプリの中でも先発組であるタイミーだから案件自体が多く、こうした好条件の案件も多いのだ。
■実際の利用者に話を聞いてみると…… 働く中で、実際にタイミーのヘビーユーザーという人に話を聞くこともできた。 その人は、20代半ばのフリーター。「チョコザップ」の搬入作業のときに出会った(ちなみに、タイミー、当時は「チョコザップ」の搬入案件が結構多かった)。元々は、スーパーのレジ打ちなどをしていたが、タイミーを始めてからは徐々にタイミーに重心が移っていき、今ではほとんどの稼ぎをタイミーでまかなっているという。
そんな彼にタイミーのメリットを聞いてみると、やはり「即日入金」は大きなメリットだという。また、バイト関係で必然的に生じる人間関係のしがらみから自由なのも大きいよう。 実際の働き方を聞いてみると、午前中タイミーで働き、すぐに入金されたお金で午後に友達と遊ぶ、なんてこともあるらしい。即日入金だからこそ、遊ぶ日に合わせて柔軟に働けるのだ。 気になるのは、シフト制のバイトと比べたときの収入感。なんでも、「スーパーでバイトしていたときと同じぐらい稼げている」とのこと。彼はかつて、週3~4日スーパーで働いていたというから、一般的なフリーターと同等には稼げているのだろう。
一方で、彼の話を聞いていると、タイミーのデメリットも見えてくる。ここからは私自身の経験も踏まえ、タイミーのデメリットも考えてみたい。 というのも、彼の話を聞いていると、「スキマ時間に働ける」という、本来はタイミー最大の強みに関する話があまり出てこないからである。 彼は、1週間分の働く案件を決め、それでスケジュールを立てているという。 「スーパーで働いていたときは、シフト制なので、1カ月単位で予定を立てないといけなかったんです。でも、タイミーにしてからは1週間先ぐらいまでを決めておけばいいから、その点では楽ですね。ただ、やっぱり1週間先ぐらいまでは決めておかないとですね。いい案件はすぐに埋まってしまうので、その日にふらっと、っていうのは、なかなかやりにくいんです」