万博展示「アルファ世代」に照準 パナは小学生が試作を体感 企業が機運醸成を手助け
来年4月13日開幕の2025年大阪・関西万博に向け、企業が、開催時に15歳以下の「アルファ世代」への訴求に力を入れている。パビリオンの展示試作に子供の意見を取り入れたり、自然の中でSDGs(持続可能な開発目標)を学ぶ事前のワークショップを開いたりなどし、次代を担う子供が興味を持てる万博を目指す。子供の来場意欲は親の来場意欲にもつながり、課題となっている集客を進める一助となりそうだ。 アルファ世代は平成22年から令和6年ごろまでに生まれた子供を指す。 パナソニックホールディングス(HD)は、パビリオン「ノモの国」でアルファ世代をターゲットにしたさまざまな体感型の展示を計画。 宮部義幸副社長は今月26日、パビリオンの「大地」エリアについて、軽量でビルの壁面などで使える「ペロブスカイト太陽電池」など5種類を展示すると明らかにした。 すでに大阪府門真市の同社の技術部門などに小学生を招いて展示の試作を体感してもらう取り組みを始め、展示の改善につなげている。宮部氏は「展示の検討にもアルファ世代の子供を持つ社員に優先的に入ってもらっている」と話す。 一方、サントリーHDとダイキン工業は24日、子供向け職業体験施設「キッザニア」の運営会社と連携し、ワークショップやイベントを開くと発表した。現在の小学4年~中学2年生を対象に水や空気の大切さを学んでもらう。 今年8月に開始。フィールドワークなどを通じて水と空気が自然を循環する仕組みを学び、万博会場で開催する「こどもサミット」(仮称)で提言を発表する。 バンダイナムコHDは今月26日、出展するパビリオンに実物大のガンダム像が登場すると発表した。ガンダムシリーズは老若男女を問わず人気があり、アルファ世代にも高い訴求力を発揮しそうだ。 日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会との連携協定に基づき、同社は令和5年度、大阪府内の全小学校約1030校の計14万人以上の子供たちにガンダムのプラモデルを配布。ものづくりに興味を持ってもらうと同時に万博の機運醸成を狙う。(桑島浩任、田村慶子)