米利下げ縮小を心配して株を売るのは見当違い-モルガンSスリマン氏
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度が利下げ幅を縮小させる可能性を理由に株を売るのは見当違いだと、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのアンドルー・スリモン氏が述べた。利下げ縮小は経済、引いては株式市場にとって良い兆候だと論じた。
同氏は2日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「米連邦準備制度の忍耐強さは経済が好調であることの証明だと思う。それは株式にとって良いことだ」と語った。
2019年以来の好調を記録した1-3月(第1四半期)の後、4月の米国株は低調な滑り出しとなっている。一連の堅調な経済データによって当局が利下げを急がないという懸念が再燃しているためだ。
実際、投資家は当局よりもタカ派的な見方をしており、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に発表された当局見通しの中央値75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)対し約65bpの年内利下げを想定している。
米連邦準備制度よりもタカ派、市場が転換-少ない利下げ幅見込む
トレーダーは今年に入って以来利下げ予想を見直し続け、予想される利上げ回数は年初の6回から3回程度に減っている。それでもS&P500種株価指数は1-3月期に10%以上上昇した。
米利下げ遅れ可能性無視の株式市場に警鐘-JPモルガンのマテイカ氏
利下げ回数が少ないことは総じて楽観の理由だとスリモン氏は言う。「経済が弱くなれば、当局は利下げを余儀なくされるだろう」が、それはその後1年の利益見通しへの重しになると説明した。
この楽観的な見方に対するリスクは、原油価格の高騰だ。米連邦準備制度が利下げに踏み切らない理由が原油価格の高止まりであれば、それは経済好調の兆候ではなく、「インフレの問題だ。その場合は懸念材料になる」とスリマン氏は述べた。
10年物米国債利回り5%の懸念が再燃-原油高騰で
原題:Morgan Stanley’s Slimmon Says Not to Worry About Fewer Rate Cuts(抜粋)