デジタル格差解決のため「デジタル推進員」を全国へ展開したい――岸田文雄氏に聞く【自民総裁選】
成長の果実をどう分配するか考える、これが「新しい資本主義」
――これからの日本の成長や発展に向けて、どのような経済政策を実行していきたいと考えていますか? 岸田氏: 「新しい資本主義」という政策を私は訴えています。 今までの政策は新自由主義的な政策と言われています。市場、競争、利益、効率、これらを重視する政策は確かに経済成長しましたが、一方で富が偏在してしまいました。 20年間で、企業における株主への配当は20兆円増えたと言われていますが、従業員の給料は20兆円減ったと言われています。経済は大きくなっているわけですが、その成長の果実はどこへ行ってしまったのか、どこに集中してしまっているのか、このあたりを考えていかなければなりません。 成長に合わせて成長の果実をどう分配するか考える、これが私の「新しい資本主義」という考え方です。成長においては、科学技術・イノベーションを「10兆円のファンド」でしっかり支えていく。そして分配を考えた場合に、できるだけ幅広い方々の給料を引き上げる、こうしたことを考えていかなければなりません。 そのためにも看護師や介護士、保育士といった、国が給料を決める職業の方、特に働きの内容に比べて給料が低いと言われている方々の給料を、国が率先して引き上げる。そして、それが呼び水になって民間の給料が引き上がっていくといった流れを作っていきたいと思います。 成長はこれからも大事にしますが、分配にも目配りをして、みんなが恩恵を受ける。そして消費が喚起され、経済の好循環が再び動き出す、そんな経済を作っていきたいと思います。 ※取材は自民党総裁選の候補者四人全員に打診し、インタビューは新型コロナウイルス感染症対策を万全にした上で実施しました (この動画・記事は、選挙ドットコムとYahoo! JAPANが共同で制作しました。全文はこちら:https://go2senkyo.com/articles/?p=62594 )