デジタル格差解決のため「デジタル推進員」を全国へ展開したい――岸田文雄氏に聞く【自民総裁選】
デジタル田園都市国家構想の実現に向けて「日本版オーロラサービス」を作っていきたい
――デジタル田園都市国家構想について、具体的にどのような方策を考えていますか? 岸田氏: 皆さまにとって身近なサービスとして「日本版オーロラサービス」というシステムを作っていければと思っています。 フィンランドでは「オーロラ (Aurora) AI」というサービスが展開されていて、結婚・出産・就職など国民の人生の節目にあたって、国の方からプッシュ型で情報・サービスを提供していくシステムが存在します。 たとえば、子供が保育園に入る年齢になったら近所にある保育園の情報がプッシュ型で提供され、就職の時期には就職情報、離職することになったら就職情報やリカレント教育情報が提供されます。 人生の節目において、国が必要な情報をプッシュ型で与えていくサービスの展開を日本でもできるのではないかと感じており、デジタル化を進める中で実現したいと思っています。
デジタル推進員を全国へ展開していきたい
――若者と高齢者におけるデジタルリテラシーのギャップについて、どのような解決策を考えていますか? 岸田氏: デジタル化を進める上で、デジタル格差の問題にどう向き合うかは大変重要なポイントです。みんなで共有することによってデジタル化の効果・意味もより高まりますので、誰も取り残さず、みんなで進めていくことを考えていかなければなりません。 ただ、高齢者の方や、なかなかデジタル化に馴染めない方もいます。私は「デジタル推進員」を全国に展開することはできないだろうかと考えています。地方自治体や携帯ショップにも協力してもらいながら、困ったときには高齢者の方や、なかなか馴染めない方にアドバイスし、共にデジタル化を進めていく存在を全国に展開したいと思っています。 それに加えて、学生さんや若い人たちにも協力してもらえたらと思います。デジタル推進員の取り組みやデジタル格差への協力を通じて、若い人たちに地域の絆を感じてもらう。さらには高齢者と触れ合う中で、若い人たちがデジタルの意義やリスクについて思いを巡らせるきっかけになるのではないかとも思っています。 そのような取り組みに対するインセンティブを若い人たちに感じてもらうためにも、資格制度みたいなものを用意すれば理解や協力を得られるのではないかと思っています。