デジタル格差解決のため「デジタル推進員」を全国へ展開したい――岸田文雄氏に聞く【自民総裁選】
自民党総裁選に立候補している岸田文雄元外務大臣(64)に、新型コロナ対策やデジタル政策・日本社会のDX、今後の経済政策などについて聞きました。(選挙ドットコム/Yahoo!ニュース Voice)
新型コロナウイルス感染症対策は「数十兆円の経済対策」で支えていく
――現在日本が直面する課題である新型コロナウイルス感染症対策について、今政府として行うべきこと、今後行っていくべきことは何だと考えていますか? 岸田氏: まずは、目標をしっかり定めることだと思います。コロナをゼロにすることはなかなか難しいと思いますが、コロナと共存してできるだけ通常の生活を取り戻すことを目標とします。 そのための鍵となるのは、ワクチン接種と治療薬の開発だと思います。「11月中には希望者のワクチン接種を完了する」という目標を掲げており、「年内に経口治療薬の開発を普及する」としています。それまでを、人流の抑制と病床・医療人材の確保、そして何よりも数十兆円の経済対策で支えていきます。 通常の生活をできるだけ取り戻したとして、それを維持していくことを考えていかなければなりません。ワクチン接種証明や無料PCR検査、簡易検査キットの普及、国産ワクチン治療薬の開発などを進めることによって「できるだけ平時に近い経済社会活動を維持すること」を目指していきたいと思っています。
地方にこそ率先してデジタルインフラを展開したい
――日本の課題であるDXについて、今後どのような分野でどのように活用していきたいと考えていますか? 岸田氏: デジタルはあくまでも手段であり、目的であってはならないと思います。目的は「社会や組織を大きく変えていくこと」です。東京の一極集中を改善するために「デジタル田園都市国家構想」という目標を私は定めています。やはり日本の魅力は、地方における多様な可能性や魅力であると確信しています。それを引き出すためにも、まずは5Gをはじめとするデジタルインフラを地方にこそ率先して展開していく。そのことによって、テレワークはもちろんのこと、自動運転やドローン宅配、リモート医療やリモート教育、そして何よりも、地方にとって大切な農林水産業も、スマート農林水産業という形で「若い人たちにとって魅力ある産業」にしていかなければならないと思っています。 こうしたことによって地方を活性化させていく。さらにはそれを支える基盤として、地方大学や高等専門学校の存在は大きいと思います。「10兆円の大学ファンド」というものを用意して、これを支えていきたいと思っています。