日本生命社長、海外の保険や運用会社に大型投資-35年度に利益10倍へ
(ブルームバーグ): 日本生命保険の清水博社長は21日、2024年度から3年間の新中期経営計画を発表し、米国など先進国を中心とした生命保険会社や資産運用会社への大型投資によって海外事業の規模拡大を目指す考えを明らかにした。
投資財源として2兆円超を確保し、投資は自己資金で賄う。本業のもうけを示すグループの基礎利益を26年度に23年度見込み比で21%増となる8600億円を目指す。35年度までに1兆4000億円程度までの拡大を目指す方針も示した。
生保業界を巡っては人口減少から国内の事業環境は厳しさを増しており、収益源の多角化が急務となっている。昨年11月には2100億円で介護最大手のニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングス(HD)の買収を発表。国内でも保険以外の事業強化を進めている。
清水社長は基礎利益目標1兆4000億円のうち、国内保険事業で1兆円、資産運用や海外事業などで4000億円との内訳になると説明。今年度までの過去3年間の平均6800億円のうち資産運用や海外など国内保険事業以外からの利益は400億円程度だという。
新規投資について清水社長は「海外生命保険と海外アセットマネジメント会社はずっと機会を探っていたところ。まだ実現できていないので、優先順位は高くなると思っている」と述べた。海外生保への出資については「ある程度経営にコミットできるような比率で出資したい」とした。
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Nao Sano, Taiga Uranaka