恐ろしい…亡き父の初盆、空き家となった実家にひとり泊まった40代男性、真夜中に突然耳元で響いた声の正体
実家を売却し、お金は折半
「父が亡くなったのが去年の春先。その年のお盆、私と姉だけ実家に立ち寄り、財産の処分について話を詰めることにしました」 自宅は売却、貯金は折半ということで、すぐ話はついた。家を片付けなければならなかったが、几帳面な父親は自宅内を整理整頓しており、手間はかからなそうだった。ただ一部屋、母親が使っていた四畳半の部屋だけは手つかずだった。 「母親の洋服や姿見、ドレッサーがそのまま残っていました。処分するのは忍びなかったのでしょうね…」 きょうだい2人で地元のレストランで食事をとると、姉は一足先に帰って行った。 東京から車で来ていた男性は、一晩実家に残ることにした。
夜中に起きた不思議な出来事
「父は寝室に仏壇を置いていました。父が使っていたベッドを拝借して休んでいたのですが…」 男性は、姉と一緒に両親の好物だったお菓子を供えていた。 「夜中、なにか気配がして目が覚めたのです」 男性が夢うつつで寝返りを打っていると、亡き両親の声が小さく聞こえてきたという。 「別に怖いとも思わず、ああ、夢かなって。リビングで雑談しているような、本当に普通の、たわいないやりとりのような声でした」 「お供えのお菓子は、新しく出たラインナップのものも合わせて買ったのですが、〈珍しいわね〉〈おいしい、おいしい〉という声も聞こえてきて…」 すると突然、耳元にハッキリと母親の声が響いた。 「〈引き出しの中、お姉ちゃんにね〉と。それを聞いて思わず飛び起きました」 翌日、男性は母親が使っていた部屋をもう一度見たところ、ドレッサーの奥に小さな箱があり、そこに赤い石のはまった指輪がはいっていた。 「姉に電話をかけ、昨晩見た夢の話をして、写真を送りました。そうしたら、その指輪は姉が子どものころに〈ほしい〉といって、〈大人になったらね〉といわれていたものだったそうです」 男性は指輪を持ち帰り、宅配便で姉に送った。 「不思議なことがあるものですね。母も急に亡くなってしまったので、姉に渡そうと思っていた指輪のことが心残りだったのかも…」 上述した株式会社LIFULL seniorのアンケートによると、「親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題」の第1位に、家の片づけや遺品整理が上がっている。 親の死を経験した方に聞いた「親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題」 家の片付けや遺品整理………44.2% 遺産や相続………41.5% 老後の医療や介護ケア………38.5% 老後の資金計画や経済面………36.5% 健康状態………35.8% 葬儀………35.0% お墓や散骨………26.9% 介護施設への入居や住み替え………20.8% 特になし………2.7% n=260 複数回答可 株式会社LIFULL senior(みんなの遺品整理) 「去年の一件で、母も気がすんだのかもしれません。実家を売却したら、両親の仏壇は私の家に引っ越しです。好物のお菓子、また新しいラインナップが出ているのでお供えしたいですね」 [参考資料] 厚生労働省『令和4年人口動態』 内閣府『令和5年版高齢社会白書』 株式会社LIFULL senior「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」
THE GOLD ONLINE編集部