佐藤隆太×岡田義徳×塚本高史『THE3名様』は「緻密」 アドリブ風のリアル感が生み出される理由
――今回の連続ドラマもそうですが、本作の特徴は、皆さんが笑っているお芝居をされているのが、きっちりお芝居なのか、本当に笑っているのか分からないようなリアル感があると思うんです。実際、どのような現場なのでしょう。 岡田:面白くないのに笑ったりはしていませんね。 ――なるほど。 岡田:普通のドラマだと役として、演出として笑うということはありますが、このドラマではやっぱり面白いから本当に笑っています。もちろんそれもお芝居を通してなんですが、心の底から笑っている。その感じがもしかしたら見てくださっている方にも伝わっているのかもしれません。
佐藤:それも3人のお芝居の一貫しているところといいますか、その笑いを含めて『THE3名様』だと思っているんです。アドリブが多いと思われがちなのですが、基本的に台本通りだし、結構緻密に考えられている作品なんです。台本を読む時も、もうおふたりとは20年以上の付き合いなので、こういう流れになるだろうなと想像はする。ところが現場では思いもよらないところからセリフが飛び出してくることがあって。それを一発撮りで撮影しているので、フレッシュなリアクションが見られるのかもしれません。そういう意味で“ウソ”ではないところで成り立っている気がします。 岡田:そもそも僕たちに笑わせようという感覚はない。コメディアンではないですから、物語をやっている中でそのお芝居を見て笑ってもらえるのが一番の理想です。 佐藤:だから僕たちがその場でどれだけ本気で楽しめるか。僕たちに武器があるとするなら、それはやっぱり空気感ですよね。この3人はゲラゲラ楽しそうにしているけど、それにつられて見てくださる方が笑ってくれたら幸せです。
■いい大人たちがくだらないことを全力でやる魅力 ――このインタビュー前のスチール撮影でも、3人がまるでプライベートのような楽しい掛け合いを見せてくれたじゃないですか。冗談を言い合ってツッコみ合って。あの雰囲気が現場にもあると。 塚本:もう20年以上、あんな感じです。変わらないですね。それに先ほどの現場の空気の質問に戻りますが、この空気感でお芝居もかなりリアルに近いから、皆さんが真似したくなったり、「わかるわかる、こういう場面あるよね」っていうことを感じてもらえるんじゃないかと思うんです。20年も経てば、ブームや流行りも変わってくると思うんですが、一応、この『THE3名様』も、流行の話をするとか乗ってみたりはしています。でも、話題は変わっても、この3人のノリは変わらないんです。 岡田:そのノリで、いい大人たちがくだらないことを全力でやっているというのも魅力かもしれません。さっきもリュウちゃん(佐藤隆太)が、僕らが真剣に楽しんでいるのを見るのが楽しいとおっしゃってましたが、僕らも本当に命懸けでそれをやっているから、相変わらずだなって笑ってくださる方もいらっしゃるかもしれません。 佐藤:この3人だから、というところはあるかもしれませんね。お互い信頼し合っているから、他では出せない空気感が間違いなくあると思ってます。おそらく誰しもがそういった安心感のある関係性の友人がいらっしゃるだろうし、だからどこか重ねられる部分があって身近に感じられることもあるのではと思います。