【毎日書評】世界一の美食家が大切にしている「美食」を楽しむための心得
まずはリラックスして楽しむ
行き慣れていない何万円もするようなお店に行くとなると、緊張してしまっても無理はありません。しかし、なにより大切なことは“食事を楽しむ”ことだと著者は述べています。料理はもちろんのこと、レストランの雰囲気、内装、スタッフとのコミュニケーションなど、すべてを楽しみに行くという心持ちこそがまずは重要なのだと。 たしかにあまり緊張しすぎてしまったら、お店を楽しめないどころか味もわからなくなってしまうかもしれません。しかし、それではもったいない。どんな楽しい時間を過ごせるかな、どんな素晴らしい料理と出会えるかな、とワクワクしながら足を運ぶ。そして、おいしいと感じたら、どうしておいしいのかを考えてみる。いろいろ想像してみる。 そういう、ひとつひとつのことに大きな意味があるということです。 もし、何かわからないことがあったら、素材のことでも、調理方法のことでも、ワインのことでも、お店の人に聞けばいいと思います。 フランスの料理の高級店など、ハードルが高いと思っている人がいますが、知らないことを聞かれて怪訝な顔をしたり、嫌がったりするサービスパーソンはまずいません。逆に、知ったかぶりはすぐばれてしまうので、正直でいることが一番です。(82~83ページより) そう主張する著者は、もしも自分がサービススタッフだったら、初心者の相手ほどチャンスだと感じるだろうと思っているそうです。 なぜなら、気に入ってお店のファンになってもらえたら、新しい常連になってくれる可能性があるから。それがたとえ年に一度の記念日だけだったとしても、充分ありがたいというのです。 良い食べ手が増えるのは、レストラン業界全体にとっても良いことです。そして、良い食べ手を作るのは、レストランの責務ともいっていい。 だから、健全な好奇心を持って食を楽しもうとしている初心者を邪険に扱うようなレストランがあるとすれば、そんなお店には行く価値がありません。(83~83ページより) 先述のとおり、高級店だったり行き慣れない店だったりすると、どうしても緊張してしまい、ハードルを高く感じてしまうものです。 けれど、少なくとも及び腰になる必要はないのだから、まずはリラックスして楽しむことが大切だということです。(82ページより)