【日本株週間展望】続伸へ、為替相場が落ち着き業績評価の見直し買い
(ブルームバーグ): 5月第4週(20-24日)の日本株は続伸する見込み。外国為替相場の変動が落ち着き始め、新年度の企業業績を期待した見直し買いが入りやすい。国内金利が上昇基調を保つ中で、金融株にも資金が向かいそうだ。
5月第3週の東証株価指数(TOPIX)は週間で0.6%高と小反発。米国で消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて利下げ期待が高まり、投資家心理が改善した。企業決算と同時に発表の相次いだ増配や自社株買いなどの株主還元策も相場を押し上げた。
4月の日銀会合では円安進行が物価の上振れにつながるリスクが議論されており、経済指標などの発表後の為替変動が小さければ、日本株には買い安心感が広がりやすい。
総務省が24日に発表する4月の全国CPIで、変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPIの市場予想は前年同月比2.2%上昇。前月の2.6%から伸び率が鈍化する見込みだ。米国では22日に連邦公開市場委員会(FOMC)が議事要旨(4月30日、5月1日開催分)を公開する。
米半導体メーカーのエヌビディアが22日に開示する業績も相場の追い風になりそうだ。人工知能(AI)向け需要の拡大などを示す決算資料などをきっかけに、世界の関連銘柄にも影響が広がる可能性がある。ブルームバーグが集計したアナリスト予想は、第1四半期(2-4月)の増収増益を見込む。
《市場関係者の見方》
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャー
企業の決算発表が一巡した中で為替相場が落ち着き、投資家はポートフォリオで外需・内需銘柄を吟味して入れ替える週となるだろう。全国CPIが高い物価水準を維持していることを示せば、日銀の政策変更が前倒しになるとの期待が生まれやすく金融株に追い風となりやすい。日経平均よりもTOPIXが相対的に好調に推移する展開を予想する。
アセットマネジメントOneの淺岡均シニアストラテジスト
エヌビディアの決算を受けて世界のマーケットでリスク選好の改善する流れが続けば、海外投資家の日本株買いも復活しそうだ。海外勢を様子見姿勢にした急速な円安進行が落ち着き、ドル・円のボラティリティーが低下する中では、欧州や中国株に比べて出遅れ感に着目した買いも入りやすい。