７回１死３塁、牧が適時打を放つ（１３日）＝伊藤紘二撮影

　野球の国際大会「ラグザス　プレミア１２」（読売新聞社など協賛）は１３日、日本と台湾で１次ラウンドＢ組が開幕し、２連覇を狙う日本代表「侍ジャパン」はバンテリンドームナゴヤで豪州と対戦し、９―３で下して白星発進した。

日本９―３豪州

　日本が快勝した。一回、辰己の犠飛で先制。その後は小刻みに加点し、七回に牧の適時打、八回は森下の２点適時二塁打などで３点を奪って突き放した。井上は六回途中２失点の好投。豪州は六回に２本塁打で追い上げたが及ばなかった。

流れ変える一振り、変化球を中前に

　牧が一振りで試合の流れを変えた。

　六回、２本の本塁打で２点差に追い上げられ、重たい雰囲気が漂っていた。迎えた七回、４番森下の左翼線二塁打などで一死三塁に。ここで６番の牧が打席へ入った。「チャンスだったので、積極的にいくことを心がけて打席に入った」。初球だった。高めに浮いた変化球を逃さず、中前へ運んだ。

　ＤｅＮＡでは今季から主将を務め、日本一に導いた。長いシーズンを終えた後、疲れもたまっているはず。打撃の状態も絶好調ではない。代表合流後も、バスターのようにバットを引いて打つ練習を繰り返すなど、試行錯誤していた。試合前日は「バッティングはしっくりきていないところもある」と明かしたが、大事な場面で勝負強さを見せた。

　代表でもチームリーダーであり、ムードメーカー。この一打で、チームとともに自らも勢いに乗ることができるか。（林宏和）

　日本・井端監督「国際試合独特の緊張感の中、少し私もドキドキしたが、選手がよく頑張ってくれた。（牧は）追い上げられた中で貴重なタイムリーを打ってくれた。日本にいい流れが来た。予選（１次ラウンド）を通過してまた日本に帰ってきたい」