「全国大会出場」のような派手な活躍は必要ない…推薦入試のプロが激推しする"活動プログラム"の種類
今の総合型選抜はかつてのAO入試とは大きく異なる。個別指導塾塾長の小林尚さんと推薦入試専門推進塾塾長の橋本尚記さんは「活動実績は特別に派手なものではなくてもいい。これから活動実績を作りたい人には大学主催のプログラムへの参加がオススメだ」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、小林尚・橋本尚記『提出書類・小論文・面接がこの1冊でぜんぶわかる ゼロから知りたい 総合型選抜・学校推薦型選抜』(かんき出版)の一部を再編集したものです。 ■活動実績は派手なものではなくてもいい 総合型選抜はかつてAO入試と呼ばれていました。その時代、とても重要だったのが活動実績でした。かつてのAO入試では、活動実績の優劣で合否がほとんど決まっていました。そのため、今でも「活動実績はとにかく派手にすべき」「華やかにしなければならない」という意見もあります。情報をアップデートできていないまま、AO入試時代のイメージが残っているのでしょう。 実際には、現在の総合型や公募型では実績の優劣だけで合否が決まることはほとんどありません[一部のトップアスリートを対象とした入試(いわゆるスポーツ推薦やアスリート選抜)等をのぞきます]。 では、活動実績は何を書けばよいのでしょうか。答えは「みなさんが一生懸命取り組んだ活動」です。それが部活動であれば部活動を書けばいいですし、委員会であればそう書きましょう。ボランティアでも構いません。 ひとくくりに部活動といっても、かならずしも全国大会や都道府県の大会に出ていなくても大丈夫です。たとえば、部員がおらず廃部の予定だった囲碁部で、文化祭やポスター掲示などを通して宣伝活動を行い、部員を集めて3年間存続させた。このような活動も立派な活動実績です。 その実績の中には、かならずみなさんの強みがあり、志望理由を補強する材料が存在します。みなさんの強みをアピールできるものであれば、実績の見た目(全国何位や、○○大会優勝など)を気にせず、堂々と活動実績だといっていいでしょう。 ■学問に近い実績をつくる そうはいっても、総合・推薦入試(本記事では、以降まとめて推薦入試と呼びます)の対策を始める時点で、すでに活動実績がある人は少ないはずです。推薦入試の対策として活動実績づくりに臨む人もいます。 あるいは、「何か探究活動や研究活動をしてみたいけど、どうせ何かやるなら推薦入試で使えるものを……」と考える人も多いでしょう。 活動実績であれば「部活動全国大会出場」や「コンクール入賞」などが代表的ですが、推薦入試のためにこれらの実績をつくるのは本末転倒かもしれません。 これから活動実績をつくる人にオススメなのは、より学問に近い実績をつくることです。たとえば自分の興味がある研究を進めて論文として発表したり、研究会でプレゼンしたりする活動です。