【毎日書評】いまここにある不安や視点を変える天才プロデューサー「世阿弥」のことば
40歳を過ぎたら取り組むこと
年を重ねると、仕事の仕方が変わる。社会に認められ実績もできたとしても、よいパートナーを持つことが大切だ。体力や健康は次第に衰えて、無理がきかなくなってくる。 だからこそ、このころからは自分が前に出るよりもパートナーに花を持たせ、少し余裕を見せるように振る舞うのがよいだろう。たとえパートナーがいなくても激しい動きはしないほうがよいだろう。『風姿花伝』(164より) すなわち自分自身を「知る心」こそが、卓越した人の心だということです。(164ページより)
万とは一つの力
「万」の字は「一」「力」でできている。めでたさ、恋ごころ、美しさ、悲しさもすべて「めでたさ」を表現する基礎の力から生み出される。 どの表現も習得してしまえば全部が基礎の範囲ということになる。この安定的な表現は最高の作品を生む。そして初めの基礎の感覚に戻るので一の力と言えるのだ。『五音曲条々』 これは技術を身につける第一の目標。目的に向かう習慣の段階を守っていくことが大切だということです。(168より) 日本で伝承されてきた世阿弥の発想は、いまだからこそ日本人の不安の解消や視点が変わるきっかけになると編訳者は確信しているそうです。要点が簡潔にまとめられているだけに、手にとってみれば大きな気づきが得られるかもしれません。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン
印南敦史