【目指せトップレーサー】年末の頂上決戦を目標に網代良芽が飛躍を誓う
強いハートで夢への扉を切り開いた。網代良芽(あじろ・りょうが、20、兵庫)は高校在学時からボートレーサー養成所の受験を開始したがなかなか突破できず、卒業後もアルバイトをしながら受験を続けて6度目で待望の合格。失敗しても挑戦し続ける強い意志の根底には、幼少期の鮮烈な体験が大きく関与している。 「5歳のとき2009年の賞金王(現グランプリ)を親と見に行って、優出メンバー紹介のときに松井(繁)さんの名前を呼んでいたらそばまで来てサインをしてもらえて。しかも、3号艇から優勝されたの見て『あんな風になりたい』とずっと思ってきました」 最高峰の舞台で3度目の大会制覇を成し遂げた〝絶対王者〟と触れ合い、レースを見て幼心に刻まれたインパクトは時を経ても薄れることなく、ボートレーサーを志す原動力となった。 昨年5月からのデビュー期は未勝利とプロの洗礼を浴びたが、新期初戦の同年11月、津で待望の初勝利を挙げて水神祭を飾った。「うれしかったですしホッとしました。佐藤悠さんが前に乗られていたエンジンで、お礼を言いたいです」と伸び特化の一撃仕様を使いこなす福井支部の攻撃派・佐藤悠の特殊な仕様を乗りこなして、非凡なスタート力をアピールした。 「養成所にいたとき、たまたまテレビで5号艇がまくって優勝したレースを見ていたら、それが兵庫の古結(宏)さんで。外から勝てるレーサーがかっこよくて、地元戦で一緒になったときにお願いしにいきました」と現在はA1級として活躍する同支部の先輩に師事。サポートを受けて地力強化に余念がなく、舟券貢献度も徐々に増している。 「まずは最低限B1に上がりたいです。将来的にはグランプリを走って、自分が夢を与えられるレーサーになりたいです」 夢を与えられる側から、あの日の〝絶対王者〟のように与える側へ-。年末の頂上決戦を目指して飛躍を誓う〝新鮮力〟の活躍に期待したい。(小出大輔)