「ホストは生きがい」女性客につけこむ“悪質ホスト”問題 大学生が1000万円貢ぐ…規制強化へ
■初めての客を狙う悪質営業マニュアル“一撃講習”
悪質ホストによる被害は、常連の女性客以外にも及んでいます。 今年9月、大阪府警が摘発したミナミのホストクラブ「Aria」の関係先から、ある営業マニュアルが見つかりました。
その名前は「一撃講習」。 「一撃」とは、初めて来店する女性から一回でいかに大金をせしめるかを意味しています。 1、彼女であること 2、昼職であること 3、20歳以上であること 4、ホストについて知識がないこと マニュアルには、客として狙う女性の条件がこう記されていました。 警察によりますと、恐喝の罪で逮捕・起訴された「Aria」ホスト、藤咲湧斗被告(24)はまず、マッチングアプリで出会った20代の女性とデートを重ね、自身を「彼氏」と思いこませていました。 そして去年6月、女性と食事をしている際にこう切り出します。 藤咲被告 「ホストクラブのミーティングに遅れたら罰金になる。同伴なら罰金はないから一緒に来てほしい」 被害者の女性は、”彼氏”を助けたいとの思いから、「初めて」ホストクラブへ足を踏み入れます。 しかし、そこで女性は記憶がなくなるまでシャンパンなどの高額な酒を飲まされたのです。その一夜で請求された金額はなんと108万円7000円にものぼりました。
藤咲被告 「払うまで帰られへんから」 藤咲被告はこう女性を脅し、消費者金融から金を借りさせていたということです。
■規制強化で風営法改正へ…売掛金「自主規制」の動きも実効性は
相次ぐ悪質ホストの問題を受け、警察庁の有識者検討会では12月、取り締まりの強化を求める報告書がまとめました。報告書を踏まえ、警察庁は2025年の通常国会で風俗営業法の改正案を提出する方針です。 恋愛感情につけこみ、高額な飲食をさせる「色恋営業」や、売掛金を威迫して回収する行為、女性を困惑させるなどして性風俗店で働かせたり、売春させたりする行為、そしてホストに入る性風俗店からの紹介料である「スカウトバック」などを行政処分や刑事罰の対象にすることを検討しています。 また、1カ月の売り上げが2億円もあるホストクラブがあるなか、法人への罰金の上限が200万円であることから、抑止力を高めるにも、上限を大幅に引き上げる方針です。 さらに悪質ホストグループのある店舗が営業停止処分をうけても、別の系列店で営業が行われている実態があることから、系列店も営業できないようにすることを検討しています。