「年収の壁」見直し、愛媛県と市町で年510億円減収と試算　中村知事「影響は生やさしくない」

　年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」の見直し議論を巡り、中村時広知事は20日の定例会見で、財源の手当てなしに国民民主党の主張通り非課税枠を178万円に引き上げた場合、県と20市町合わせて年間約510億円の歳入減になるとの試算を明らかにした。 　パートで働く人により自由な働き方が見込まれ、企業活動や県民生活にも良い影響が生じる可能性は認識しているとしつつ「制度をいじるとどこかにひずみが生じる。地方行政に支障が出ないよう責任のある対応をしてほしい」と注文。年収の壁の見直しは税収の仕組みや社会保障制度にも影響するとし、少子高齢化時代の国の制度設計を「トータルでどうするのか、骨太の議論を進めてほしい」と語った。